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プロたんの母体「腑侶鍛漢方医学研究所」は日夜お客様へ、よりよい漢方薬を提供するよう研究しております




プロたんの悠遊自適漢方譚(ゆうゆうじてき かんぽうたん) 2006年版へ≫

■【新】本音で対談シリーズ: 日時場所:平成17年12月 プロたん内にて
(実際に収録したものをTCテクニカル(株)が監修)
話し手: 管理薬剤師薬剤師 プロたん
略歴:元病院薬剤師(20年間)
一般市販薬・漢方(販売歴16年目)
    現プロたん 代表
お客様: 薬剤師(パート) 沖くん
現在、2つの薬局をかけもち勤務の修行中
略歴:調剤・一般市販薬・漢方(販売歴5年目)
こんにちは、久々の登場です。以前、こちらの先生にずいぶんとお世話になった沖です。
「インフルエンザ」の話と聞いて、たまたま寄らせて頂きました。

時節柄、「かぜ&インフルエンザと漢方処方」について話してみたいと思います。
今まで、この対談シリーズでテーマにあがらなかったのが不思議なくらいですね。

ご存知の通り、「かぜ症候群」と、「インフルエンザ」とは全く違う疾病ですが、従来から使用する漢方処方が類似しているため、乱暴な企画かも知れませんが、僕の希望で一緒のテーマに組み入れてもらいました。漢方修行中ですので大変勉強になります。

かぜ症候とインフルエンザ。あまりにも日常的なことなので、我々薬剤師仲間でも特に話題にしなかった。
でも、今回の新型インフルエンザ騒動で、「すっかりメジャーな症候群」に位置づけられた感じがします。

かぜの漢方処方。いろいろありますね。
その前に、まず、はっきりしておきたいことがあります。

ここへ来て、全国から「新型インフルエンザに効く漢方があるか?」というお問合せが多々きていると伺いました。
僕が勤めている薬局にもけっこう問合せがきています。

特に、年末にきて新型インフルの発症ニュースが飛び交っていますが、従来からの薬草「板藍根(バンランコン)」や、その他の生薬などのお問合せも多く、大変苦慮しております。

今回、この対談特集のテーマもその回答を踏まえて、急遽製作したそうです。

そのような、わけで、店長兼管理薬剤師のプロたん氏の意見を率直に聞きたいと思います。

ずばり、「インフルエンザを治せる漢方処方はありますか?」
「治せる漢方処方?つまり完治させる漢方?・・・ずばり、お答え致します。

漢方だけでは、まず無理とお考えください。
」それと、「今回の新型は、特に無理というものです。罹患してから、漢方でボチボチ治そう・・・・なんて言っていると、とんでもないことになります。発病を疑ったら、すぐ病院へ行ってください・・・。」

小生には心の準備がありますから、うつされても、いつどうなっても構いませんが・・・。(ウチの愛犬ポチや愛猫チャコが感染したら可愛そうです。)

・・・・。なんとも、ニベもなき、ご回答。変わっていませんねぇ。・・・先生は。(笑)

ただ、腑侶鍛漢方医学研究所の代表のご意見とも思えませんが・・・・。
沖先生、話は最後まで聞いて欲しい。

漢方1本で治すことは難しいが、インフルエンザの症状、つまり随伴症状を緩和させる漢方はかなりある。・・・・という事。

さきほど述べられた、板藍根(ばんらんこん)しかり、麻黄湯(まおうとう)桂麻各半湯(けいまかくはんとう)しかりだね。
これらは、従来からワシはよく初期に使用した。(基本的には病院薬剤と併用するわけだが、この時の飲み合わせの是非は必ず薬剤師に聞いて欲しい。)

板藍根(ばんらんこん)に関する商品は健康食品のカテゴリーであるため、あくまでも健康補助としてとしか言えないが、例えば医薬品においては咽喉の炎症を緩和させる生薬配合製剤として、金銀花、連翹を主薬とした感冒薬をぜひおすすめする。中薬銀翹解毒丸銀翹解毒丸銀翹錠 etc.)


さらに、中期〜回復期には竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)や、柴胡剤が主体だ。つまり柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や、小柴胡湯(しょうさいことう)などにより、インフルエンザは必ずと言ってよいくらい後期にかけて消化器症状が出現するし、さらに病院の抗生物質や消炎剤などの消化器障害なども踏まえて、よく併用するようすすめた経緯もある。

特に竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)については、インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの。いわゆる回復期へ向けての漢方処方として特に小生はおすすめしている。

のちほど詳細は述べさしてもらうとして、ざっとこんな感じです。

ただ、何度も言うようだけど、必ず医療機関を受診し、検査により菌同定、かつ医師の指導を受けながら、抗生剤、消炎剤の投薬もある。こちらが第一選択であることを強調したい。そしてその段階で自身への漢方導入を考えるべきではないかと思う。
特に「新型インフルエンザ」への対応は要注意であり、当初より漢方だけで・・・とはいかないと思う。ここの辺が一般の「かぜ」への対応と違うところだ。

それと、今度は病院治療での話。今話題のタミフルの話。病院=(イコール)タミフルと安易に考えないで頂きたい。

新薬(最近の開発という意味)のため、副作用のメカニズムが完全に確定していないということ。「効き目・切れ味の良さ」が先行しているため、ただタミフルの入手に走っている傾向は小生は警鐘したい。

タミフルはダメという意味ではなく、できるだけ慎重投薬して頂きたいという意味である。特に乳児、小児への投薬は抵抗力がないだけに、重要事項だと思う。タミフルだけではなく、他に有効薬剤もあるわけだから、そちらにも目を向けて頂きたいと小生は願っております。

この件についても、のちほど述べてみたい・・・・ですなぁ。

よく、わかりました。いずれにしても従来からの「インフルエンザ」の対応方法では、無理ということですね。

ウィルスの変異、進化ということを考えると、新薬開発との「追いかけっこ」ともある意味言われているようです。

漢方の歴史は4000年。西洋薬はたかだかン100年・・・・というプロたん節は、とりあえず今回は、棚上げしておいて・・・・。

相手が強力な「ウィルス」だけに、今後は和・洋・漢を問わず、トータル的な思考と対応を踏まえ、個々に見合った投薬計画で身を守るということですね・・・・。
そうね。

一連の報道で、「インフルエンザ」の騒ぎは国民を震撼させていると言ってもよい。
既にワクチン接種は記録的と聞いている。もっともこのニュースは最近のマンション構造疑惑のニュースにすっかり埋もれてしまったが。

特に今年の12月の冷え込みと、乾燥はただごとではない。1月〜2月上旬が要注意じゃな。
「新型インフルエンザ」は「かぜ」はもとより、「従来からのインフルエンザ」とは全く違ったメカニズムの「感染症」だね。

これまでヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスがその性質を変え(変異し)、ヒトへと感染するようになり、そしてまたヒトからヒトへと感染するようになるといわゆる「新型インフルエンザ」。東南アジアから次第に北上?!・・・・全く困ったもんだ。

これまでのように、「他岸の火事」というわけにはいかず、バンデミック(世界的流行)を懸念して、厚生労働省も失礼ながら今回だけは、「本気(マジ)」になっているようだ。というよりか、「軽くヤバイ」どころか流行した場合には、4人に1人の罹患率ということは限りなく「ずっしり重くヤバイ」わけだ。

おかげで、タミフルドライシロップなんぞは、ワシのところみたいな場末(ばすえ)の薬局にはまだ入荷してこない。
一定量.は確保しているものの、運悪く流行したら、大人用のカプセルを含め、在庫が3日間もつかどうか案じているよ。

ただ、先ほども言ったが、インフルエンザに有効な薬剤はタミフルだけではないはずだ・・・。(くどいか?)
それと、もう一つ、悩みのタネは。もうすでに、12月上旬あたりから、一般の「かぜ」、つまり「ふつーのかぜひき」が多くなりつつあります。
僕が勤務している薬局でもかなりの患者さんがおいでになります。

くしゃみ、鼻水と今年は特に「のど」がやられる「かぜ」が多いですね。

とにかく執拗な「せき」が何週間も継続し、次第に熱も上がる。概ね38度ぐらいですけど、平熱が低い場合は、もうダウンしちゃいます。

「インフルエンザかも?」と慌てて病院へ行き、判定キットで検査すると、「インフル」ではない。

それじゃあすぐに改善するのかと病院の薬をしっかり服用しているのだが、とても治りにくい。
こんな症状が多いですね。今は。
そうなんじゃ。日本人は「働き者」が多いからのぉ。
その1年間の疲労と過労がこの寒空の12月にどっとでる。

ボーナスもらって、付き合いの忘年会にもほどほどに出席して・・・・・。
なんと、翌日から、カゼ引きでずっと欠勤状態という人がワンサカいるそうな。立場ないが、どうにもならない話だ。
ワシの友人のY氏なんかも、未だに完治していない。ぐずぐずしておる。

一番困るのは、このまま年末からお正月へなだれ込み、まだ体調が復帰できず、抵抗性も失っているところへ、今度は「新型インフルエンザ」とのご対面。まずひとたまりもないね。

ワクチンをしていても決して安心はできない。
抵抗力がなければ、ワクチン接種後も決して油断はできないはずだ。回避率は100%ではないからだ。

やはり、例年の「プロたん式回避方」が一番ですか?(笑)
うむ。よく覚えているね・・・・。
ただ今回は少々是正させて頂く。

昔は1.に「うがい」がきていたが、「新プロたん式回避方」をおすすめする。つまり・・・・・。

1.に「マスク」、2.に「うがいと手洗い」、3.4.がなくて5.に「手ぶくろ、メガネ」とね。
へぇー、新アイテムですね。「手ぶくろ、メガネ」とは?

普通の温かい毛糸の手袋ですか?メガネはサングラスはNGですか?(笑)
うん、もちろん保温をかねての案だから、もちろん何でも良いのだが、完璧なのは手に密着する「医療用のゴム手」をすすめる。

特に外出時、細菌感染は、空気感染と飛まつ感染(相手の唾からの感染)を除き、そのほとんどが自身の「手」を媒介して感染すると言われている。

手洗いがきちんとできる自宅であれば問題ないのだが、外出時間が長引いたり、外食をする予定があるのなら、ワシは特に「手ぶくろ、メガネ」をおすすめする。

細菌はいたるところに付着、浮遊していて、電車内、つり革、シート、人ごみの中、公衆トイレ・・・数えたらきりがない。

あくまでも、私見であるが、「医療用のゴム手」が入手できなければ、ワシは「使い捨ての軍手」をすすめる。特に「ワークマンショップ」から宣伝料は頂いていないが、20枚セットで「安売り」している。帰宅後に捨てているが、もったいなければ、洗濯すればよい。経済的、かつ重宝だ。

なお、軍手は隙間だらけなので、意味が無いと他の薬剤師から嘲笑されたが、手袋を何もしていないよりもいいだろう・・・。
洗い換えがきくなら、少々小洒落た「綿手袋」をたしか地元の「ワークマン」で売っていた。別にこの店にこだわるワケではないので、各自工夫をして頂きたい。そういう意味だ。

次にメガネだが、何でも良い。サングラスにマスクであると、夜間はギャングに間違えられたり、見えにくいので、視力がある方であれば、一般的なガラス素通しメガネを買っておくと良い。ワシは「遠近両用」だが・・・。

営業されている方は、伊達(だて)メガネでも良いではないか。お洒落だしね。気分転換で、かえって成績が上がるかも。
冗談抜きでこの機会に真剣に対策をこうじて欲しいと思うんだ。

単なる流行病(はやりやまい)と思う無かれ、ある意味これは「キラーウィルスとの闘い(たたかい)」でもあるわけだ・・・・・。

相手(お客様)の飛まつは眼の粘膜からも侵入すると、言われている。涙液必ずしも完全なバリアーとはなり得ない。

完璧にするには、ワシはスキー用のゴーグルをすすめるが、さすがに「ゴーグル・鳥型マスク・ゴム手」の姿では東京の山手線には乗れんな・・・・・・。

流行したら、ワシならやる。冗談抜きで。その時はついでに耳までかぶった帽子とゴム長靴もな。
笑われても良い。ワケわからん熱病で死ぬよりマシというものだ。
先生、それ以上の話はご自身の「おやじブログ」でお話ください。今度じっくりとご意見を拝見させて頂きます。(笑)

それでは、薬剤についてお話したいと思います。
まず、医療機関における「タミフル」の話。

「タミフル」はご存知の通り、医師の処方せんによって投薬されることが薬事法によって義務付けられており、医師の処方せんなしに薬局等において購入することはできません。 時折、僕の薬局や知人からお問合せいただくのですが・・・あいにくです。

タミフル(有効成分:リン酸オセルタミビル)は、A型又はB型インフルエンザの治療及びその予防のために使用される医薬品であり、カプセルタイプとドライシロップタイプがあります。その効能・効果、用法・用量は、次のとおりです。

◎タミフルカプセル75

【効 能・効果】A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防
【用法・用量】
1. 治療に用いる場合
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児は1回1カプセルを1日2回、5日間服用する。
2. 予防に用いる場合
通常、成人及び13歳以上の小児は1回1カプセルを1日1回、7〜10日間服用する。 (でも、こんな在庫ないっす・・・・。)


◎タミフルドライシロップ3%
【効 能・効果】A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防
【用法・用量】
通常、成人は1回75mgを1日2回、5日間服用する。
通常、幼小児は1回2mg/kg(体重1kgあたり2mg)を1日2回、5日間服用する。

ここで、最重要ポイントは、「インフルエンザ」だ、そりゃあ大変だ、何がなんでもタミフルだ!というわけにはいかない・・・。
予防投薬という考えにもいろいろ課題はある・・・。


つまり、タミフルは、医療機関で診察を受け、医師がタミフルの必要性を十分検討した上で、患者に処方するものであるということ。
次に、インフルエンザに感染したすべての患者がタミフルを服用する必要はないと考えられているということ。

なぜなら、健康な成人の方では、一般的に、インフルエンザウイルスに感染し、症状が出てから3〜7日間でウイルスの排出も終わると言われているからね。

基本的には、タミフルは、インフルエンザの症状が出てから2日(48時間)以内に服用を開始することとされているのも重要事項だ。つまり、48時間経過した後では、服用を始めた場合に、その有効性を裏付けるデータがない。

予防について、よく勘違いされる方がいらっしゃるので、あえてお話しますが、
例えば、65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患の患者など、インフルエンザにかかった場合に重症化しやすい人々については、同居する方がインフルエンザにかかったときに、その予防のために、医療機関で診察を受け、タミフルが処方されることがある。

つまり、一般的な予防投与は認められていないし、あまり意味がないということ。
例えば、オレは今日繁華街を歩いたので、ひょっとしてインフルエンザにかかったかも知れないので、タミフルをくれと言っても認められないということですね。

予防のために服用する場合には、インフルエンザに感染した患者に接触した後2日(48時間)以内に服用を開始することとされている。

つまり、予防になるかならないかと言い争う前に、ワクチン接種の方が効率が良いと思うね。
本年(2005年)12月中旬現在では、ワクチンの出荷量は、ほぼ「完売」だそうです。すごいですね。
昨年は余ってしまったというのに。皆さんかなり「本気」です。

「タミフル」と言えば、報道でも国の対策について論じられていました。2100万人分の「タミフル」って凄いですね。
ただ、提示されていた国家予算と、「タミフル薬価」×2100万人との差異が大幅に違うのですが・・・・ヒマなので電卓で計算したんです。(笑)
ヒマだね。沖くんは。だから君んとこの薬局は繁盛しない・・・。プロたんも同じだが・・。

あれはね、実は私も少し変だと思ったのだが、どうも国際価格(EU:約半額)みたいだ。

そんなことよりも、小生も薬局運営者として、非常に気になるのは、その2100万人分の「タミフル」を仮に調達できたとしてもだ、使用期限というものがある。
政府では「備蓄」と簡単に言っているように聞こえるが、将来、「タミフル」の期限切れになった場合、「中外さん」へ、返品なのか、交換なのか、あるいは廃棄なのか・・・・・税金を払っている「一員」としてではなく、「薬剤師」としてとても気になる顛末。

これで、流行しなければ、しないに越したことはないが、例えば2年後にウチの薬局から「タミフル」を注文したら、政府からの返品流れの「期限切迫品」が届いたりする事態も考えてしまう。ま、余計なことかも知れんが、薬剤師はついつい神経質になるものなのです。(ワシぐらいかな?こんな勘ぐりするのは・・・・。)
わかるような気がします・・・同感。

先生、この辺にしましょう。この話は。
次に重要な「タミフル」服用時の注意事項です。
うむ。患者さんへの服薬指導は重要ですな。「タミフル」だけではなく、他の抗生物質、消炎剤、ぜんぶだね・・・・。

まず、過去に「タミフル」を服用した方に・・・・・タミフルに過敏症がある方には処方されません。

当然のことです。しかしですね・・・・実際、ドクターを前にすると言わない方がいる。(本当のはなし。ご年配者に多いのです。)

つまり・・・・・タミフルでは事例がありませんが、他の抗生物質や抗炎症剤ではよくあるんですな。

薬局に来ると、「医者には言っていないのだが、実は昨年・・・・・。」とぶっちゃけた話をする患者さんがいます。
別の薬に変更してくれないか、これ飲んで「まだら斑点?!」でたことあるんで・・・・と、ゴリ押ししてくる。おいおい。

正直言って困るのですが、この場合は医療機関に連絡をして、ご面倒でももう一度、ドクターに受診して頂きます。
院外処方せんに関し、受けた薬剤師がその内容を勝手に書き換える権限は無きに等しいというか、早い話、法律違反なのです。

発疹やショックなどの過敏症の症状がでてからでは.遅いのです。ご理解くださいと、やんわりとお話するしかない。
えっ?言いにくいって?交渉してくれって?そうですか、それならば一緒に行ってあげますよ。薬剤師プロたんが「交渉人プロたん」ですか、シャレになりませんが、いいですよ行きましょうよ・・・・。なんてことも、しばしばあるのです。

初めての診察時に先生には、副作用歴をちゃんと言いましょうね。

次に、腎機能に障害がある方については要注意ですね。

もっとも腎障害をお持ちの患者さん(例えば、慢性腎炎で別途受診中の方)は、血液中のタミフル濃度が高くなることから、その服用方法が一般の方と異なることがあります。その旨、担当医師から服用方法についての指示がありますので、必ず守って欲しいという点ですね。

最後に、小児のケース。
最近、事例が昔と比較すると多くなりました。当店の患者さんにもいます。遺伝性果糖不耐症のお子さん。

遺伝性果糖不耐症のお子様は、実はタミフルドライシロップ3%には果糖の前駆物質(体内で果糖に変換される物質)が添加されております。服用する場合にはやはり担当医師(小児科医師)の指示を厳格に守って頂きたい。

以上、注意事項をざっと述べてみたつもりです。他にもまだいろいろあるが、その辺はケースバイケースで対応しております。

次に、沖君、気になる「副作用」。いってみようか。

「タミフル」を服用したときは、副作用として腹痛、下痢、嘔気などがあらわれることがあるとされています。
実際には僕の勤務している薬局では「タミフル」発売以来、処方せん外来でお受けしています。

開発の歴史もごく最近のこともあってか、幸いにも、そのような副作用発現患者さんは未だおりませんが、今後ぜったいに「でない」とは断言できません。

添付文書による副作用症例報告では、
まれに、タミフルの服用により、重い副作用を起こすことがあると記述されていますね。

具体的には、ショック、アナフィラキシー様症状
1、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
2、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
3、精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄(せんもう)(意識がもうろうとした状態)、幻覚、妄想、痙攣(けいれん)等)などがあらわれることがあるとされています。
いずれにしても、服用後、少しでも変であったら「かかりつけ薬局」への連絡や、受診された医療機関へ至急再受診して頂きたい。
あと、沖先生、タミフルを服用した後の異常行動等による小児の死亡例が報道されているけど、その辺の話はどうだろう?
そうですね。この件に関し、新聞、テレビ等の報道の度に、ご父兄の方からは問合せはあります。

報道そのものが、受け取りようによっては、かなり厳しいイメージの場合があるようで、お母様方も敏感に反応しますね。
当然だと思います。

今回はタミフルを服用した16歳以下の異常行動によるものを含む小児13例(治験時1例を含む。)の死亡が報告されています。
僕も、正直言って驚いています。

これら小児の死亡事例とタミフルとの関係については、本年11月18日に米国食品医薬品局(FDA)が評価を依頼した小児諮問委員会においても、「現時点で得られている事実からは、因果関係を示す証拠はないと考えられる」との報告。
でも気になる報告ですね。

また、厚生労働省としては、専門家の意見も聞いたところ、タミフルと死亡との関係については否定的であることなどから、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていないとの回答ですね。
つまり、なんかあったら「医師、薬剤師に相談して下さい。」という事ですかね。(複雑・・。)
何かあってからでは、こちらも困るよね。実際。そう思わんかね・・・。
はい、・・・それ以上の話は、「おやじブログ」に書かれるとして、
時間もありませんので、「かぜひき」の話に入りませんか。

本当は「かぜ症候群」の話をしようと思ったのですが、どうしても今注目の「インフルエンザ」の話題が優先されました。
本題にはいりましょうよ。
そうだね。「かぜ」をひいた。と言うと、「油断しているからだ・・・。」と返事が返ってくるほど、「かぜ症候群」はあまりにも日常的。
かつ「かぜは万病のもと。」と言われているように、そのかぜをひいた事に由来し、さまざまな疾患を併せて起こす危険性もあるわけだ。
だから、決して軽視はできない。
また、かぜ症状がでていたとしても、実際に病院検査をして、全く別の疾病が存在しているケースも稀にある。
症状が長期続くようであれば、近医を受診すべきであり、素人判断は禁物でもある。

昔、都内の病院に勤務していた時、「せき」があまり長引くので、同じ病院の「釣り仲間」の医局長に診てもらったことがある。

どおしたんだ?と聞くんで、「かぜ引いた。」と言ったら、「お前、バカか!かぜという診断を下すのは、このオレだ。」とやられた。
確かに道理ではあるが、正直言って頭にきた。

しかし、後年、今度は小生が薬局の店頭に立ち、患者さんの相談相手をする立場になった。

当店の一般薬カウンターに患者さんがやってきて、「かぜ引きました・・・。」・・・・と。『かぜかどうかは、ワシが決めることだ!』なんては、さすがに言えない。
しかし、症状をよく聞いてみると、ひょっとして「かぜ」だけではなく、何か別の疾患ではなかろうかという患者が何人もいる。

この場合、近所の病院をすぐにご紹介、橋渡しをして至急行って頂く。二次性細菌性気管支炎などもそうだ。とても市販薬では対応できない。当然、病院の抗生物質が第一選択となる。

そうですね。私も、ドクターから「かぜ」について面白い説明を聞いたことがあります。
「かぜ」は診断は最もやさしく、最も難しい疾患とも言えると・・・。
そうだね。内科分野での日常診療に際して、ドクターらが最もよく経験されるものであり、くしゃみ、鼻水、鼻閉、咽頭痛、咳(せき)、喀痰、発熱、頭痛、腰痛、全身倦怠などの症状があれば、極端な話、精密検査をしなくとも「かぜ」と診断していた時代がつい最近まで続いた。(もちろん、血液生化学、胸部レントゲンなどの基礎検査は実施するが・・。)

しかし、現在は違う。「インフルエンザ」の出現だ。症状が酷似している。あえて言うならば、「インフルエンザ」の場合、高熱や下痢、小児の嘔吐が続くケースが多いぐらいだろう。これも、しかし検査をしなければ判定できない。

なぜなら、一般のかぜでも40度を超す熱や、類似症状は充分に考えられるからだ・・・・・。
インフルエンザ判定キットの進化はめざましいですね。
インフルエンザA型抗原検出キットが体外診断用医薬品として承認されたのをかわきりに、毎年進歩を続けています。

とてもスピーディーにかつ正確に診断判定できるようになったと言われています。

従って、単なる「かぜ」と一旦は診断されたとしても、ドクターは患者の年齢、免疫能(つまり抵抗力)、基礎疾患の有無、既往歴の因子などさまざまな推測をして、時には重篤な合併症も発症しうることを常に念頭に入れているわけです。

そこで・・・・・小生なりに、現在の西洋医学的治療をまとめてみると・・・。

「かぜ症候群」の病院治療方針としては、基本的には対症療法が中心となる。

まず、保温、保湿、安静・・・この3点が重要だ。そして前面にでた症状に対して投薬をする。

たとえば・・
1. くしゃみ、鼻水、鼻づまり、そして軽度のせきが主体の場合
2. 乾性のせきが強い場合
3. 膿性たんが出る場合
4. 高熱、全身倦怠、筋肉痛、関節痛が強い場合

などと、区分けし、処方を考える。

総合感冒薬としては、PL顆粒があまりにも有名処方のようだ。
発熱やせき・タンなどがある程度存在している場合、
ご存知、ロキソニン、ダーゼン、ムコダイン、ムコソルバン等などが追加される。

また、細菌性気管支炎の合併が考えられるならば、抗生物質、抗菌剤などが繁用される。
セフェム系が従来、中心でケフラール等が繁出したが、最近はトミロン、バナン、フロモックス等を経て、
クラリス、クラリシッドなどがよくでているようだ。

もちろん一緒にビオフェルミンRとか、うがい薬、場合によっては38度以上の時にはボル坐(ホルタレン坐剤25)なども
頓用で処方されることも珍しくない。

ようするに、使用薬剤の順列・組み合わせは患者個々により、症状、検査結果も踏まえ、無数にあると言ってよいかも知れない。
当然、抗生物質や抗炎症剤にはそれなりの副作用も存在するので、長期投薬はせずに、短期決戦(概ね1週間以内)の処方がほとんどだと思う。

かぜの主症状がおさまれば、のど痛や、せきなどの付帯症状の緩和を目的とした投薬に切り替え、後述する「抵抗力」を高めるための「漢方薬」などにスイッチされるのも良いだろう。

いずれにしても、栄養と休養をとるという背景が必須であることは言うまでもない。

また、経過観察で、合併症や基礎疾患が増悪しないかどうかも、必ず確認をとり、そしてめでたくも「なんとなく・・・かぜが治癒」という形で終息する。ある日、突然パッと治るということはないはずです。

よく、「熱が40度、突破した。かぜをひいたみたいだ。一発で治る、かぜ薬をくれっ!ユンケルモなっ。」と、気合を入れて来局されるお父さんもいらっしゃいます。薬局経営者としては「涙もん」の患者様なのですが・・・・・。

そりゃあ無理というものでございます。
一発で治ったら病院いりません。高熱ならば、まず、脱水対策です。その前に病院行きましょう。
インフルエンザかも知れませんよ。インフルエンザは「かぜ」ではありません。もし、インフルエンザならば、市販の解熱薬はやたら服用できませんよ・・・・。(売りたいのは山々なんですが。)


つまり、かぜの「特効薬」は昔から存在しないのです。

漢方薬も同じです。多種多様、処方はさらに多くあると言ってもよいでしょう。合方処方にすれば、ほぼ無限。

沖先生、そろそろ本日最後の表題である、「漢方処方」いってみましょうか・・・・・。

まず、かぜの初期症状からいってみます。

かぜの初期には、悪寒、微熱、背中のこわばりなどが起こりますが、
この初期に対応する処方としては、以下が繁出しますね。

葛根湯(かっこんとう)
感冒,鼻かぜ,頭痛,肩こり,筋肉痛,手や肩の痛み

桂枝湯(けいしとう)
体力が衰えたときの風邪の初期

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
悪寒,微熱,全身倦怠,低血圧で頭痛,めまいあり,四肢に疼痛,冷感あるもの:感冒,気管支炎,咳嗽

香蘇散(こうそさん)
胃腸弱く,胃部や胸部のつかえ感があり,肩こり,頭痛,頭重,めまい,耳鳴り,嘔気などがあり,気のふさぐものの次の諸症:軽症の感冒,感冒の初期,じんま疹,更年期神経症

参蘇飲(じんそいん)
感冒,せき

真武湯(しんぶとう)
新陳代謝機能の衰退により四肢や腰部が冷え,疲労倦怠感が著しく,尿量減少して,下痢し易く動悸やめまいを伴うもの:胃腸虚弱症,慢性腸カタル,慢性腎炎
やや進んで、発熱、筋肉痛、関節痛などがみられると、

麻黄湯(まおうとう)
風邪のひきはじめで,寒気がして発熱,頭痛があり,身体のふしぶしが痛い場合の次の諸症:感冒,鼻かぜ

桂枝麻黄各半湯(けいまかくはんとう)
感冒,せき,かゆみ

などが適する。
咽頭炎には

葛根湯加桔梗石膏(かっこんとうかききょうせっこう)・・・葛根湯に桔梗石膏を加味する。

升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
感冒の初期、皮膚炎

桂枝湯升麻葛根湯(けいしとうごうしょうまかっこんとう)などが用いられます。
桂枝湯に升麻葛根湯を合方する。


あるいは、症例によっては、

葛根湯(かっこんとう)桔梗湯(ききょうとう)の併用

葛根湯(かっこんとう)甘草湯(かんぞうとう)の併用などもありますね。


また、鼻カタル症状と悪寒がみられる時には、通常、

葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
鼻づまり,蓄膿症,慢性鼻炎

小青龍湯(しょうせいりゅうとう)
気管支炎,気管支ぜんそく,鼻水,うすい水様の痰を伴うせき,鼻炎

麻黄湯(まおうとう)

などを用います。


葛根湯(かっこんとう)の件ですが、
主に体力中等度以上の以上の症例に用いられる。
ただし、胃腸障害が予想される場合には、ニ陳湯(にちんとう)あるいは、平胃散(へいいさん)葛根湯(かっこんとう)に合方するとよい。

また、体表症状(太陽病)から気管支炎(少陽病)へ移行しやすい例には、ワシは葛根湯(かっこんとう)と小柴胡湯(しょうさいことう)との合方をおすすめしている。




ニ陳湯(にちんとう)
悪心、嘔吐。

平胃散(へいいさん)
胃がもたれて消化不良の傾向のある次の諸症:急・慢性胃カタル,胃アトニー,消化不良,食欲不振

小柴胡湯(しょうさいことう)
はきけ,食欲不振,胃炎,胃腸虚弱,疲労感および風邪の後期の症状

二次感染が高度な場合には、当然、病院から抗生物質が処方されるが、ケースによっては、併用効果を期待して、
抗生物質+葛根湯(かっこんとう)
又は、
抗生物質+麻黄湯(まおうとう) をすすめることもあります。


また、高熱が続く場合には、やはり病院の抗生物質、消炎剤が第一選択となるが、併せて、
白虎人参湯(びゃっこかにんじんとう)又は、小柴胡湯(しょうさいことう)が適応する
こともあります。


次に本症の後期に入ります。

中期〜後期によくみられる、鼻炎、副鼻腔炎による後鼻漏(こうびろう)とそれに伴う「せき」が続く場合には、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)と、竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)との合方、または、柴陥湯(さいかんとう)柴朴湯(さいぼくとう)などの併用をおすすめしております。



辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
熱感があり、痛みを伴う次の症状に用いる。蓄膿症・鼻づまり

竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)
インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの

柴陥湯(さいかんとう)
せき,せきによる胸痛

柴朴湯(さいぼくとう)
気分がふさいで,咽喉,食道部に異物感があり,時に動悸,めまい,嘔気などを伴う次の諸症:小児ぜんそく,気管支ぜんそく,気管支炎,せき,不安神経症
沖くん。ずいぶんと、勉強されたね・・・・。


かぜ症状はおさまってきたが、微熱、寝汗(ねあせ)、食欲不振、全身倦怠などが続く場合には、特に漢方処方をおすすめする。

代表的な、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)をはじめ、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)などもおすすめすることがあります。

また、口がまずく、食欲がなく、咽喉が痛み、たんが少しでる時は小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)や、小柴胡湯桂枝加厚朴杏仁湯(しょうさいことうごうけいしかこうぼくきょうにんとう)竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)柴朴湯(さいほくとう)などを用います。

なお、全身倦怠がかなり高度の場合は、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう清暑益気湯(せいしょえっきとう)がよろしいと思います。




補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
元気がなく胃腸のはたらきが衰えて疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後の衰弱、食欲不振、ねあせ

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
多くは腹痛を伴う胃腸炎、微熱・寒け・頭痛・はき気などのある感冒、風邪の後期の症状

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
衰弱して、血色悪く、微熱、盗汗、疲労倦怠感、食欲不振等あるものの次の諸症:感冒、不眠症、更年期神経症

小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
咽喉がはれて痛む次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎

小柴胡湯桂枝加厚朴杏仁湯(しょうさいことうごうけいしかこうぼくきょうにんとう)
⇒ 小柴胡湯(しょうさいことう)+桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)
身体虚弱なものの咳

竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)
インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの

柴朴湯(さいぼくとう)
気分がふさいで,咽喉,食道部に異物感があり,時に動悸,めまい,嘔気などを伴う次の諸症:小児ぜんそく,気管支ぜんそく,気管支炎,せき,不安神経症

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
病後の体力低下,疲労倦怠,食欲不振,ねあせ,手足の冷え,貧血

清暑益気湯(せいしょえっきとう)
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠、夏やせ

・・・・・漢方処方の話はつきないようですね。本日はありがとうございました。


また、この続き、詳細は又の機会にしたいと思います。

なお、今回の取材にあたり、TCテクニカル〔株〕様のM係長様から、
収録テープを頂きました。有難うございました。






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