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プロたんの母体「腑侶鍛漢方医学研究所」は日夜お客様へ、よりよい漢方薬を提供するよう研究しております


■本音で対談シリーズ:肥満症の漢方(・・・の考え方) 日時場所:平成14年3月25日 プロたん内にて
■平成17年12月リニューアル
話し手: 管理薬剤師薬剤師 プロたん
略歴:元病院薬剤師(20年間)
一般市販薬・漢方(販売歴16年目)
    現プロたん 代表
話し手: 漢方外来担当(レディース外来) 沙織(さおり)
略歴:一般市販薬・漢方(販売歴16年目)
最近、肥満症のご相談が多いですけど、あーあ・・。
なになに、どうしたの?
先生、とても他人事(ひとごと)じゃないですね。私もここへきて、太っちゃったみたい。

春先になると、どういうわけか肥満の相談が増えるようで、あーもうこんな季節になったんだなって・・・憂鬱になりますね。
プロたんは待遇がいいから・・・・食欲も湧くでしょう。いいことじゃ。
実は、ストレス太りとか?(笑い)

ところで、肥満の定義ですけど・・・「体脂肪が過剰に蓄積した状態」・・・・ですよね。
うん、まーね。日本肥満学会では「身長(m)の2乗×22(kg)」を標準体重とし、肥満度20%以上(BMIにして26.4)をよーするに
「肥満」と位置づけていますね。
すると私の身長は1m55cmだから、1.55×1.55×22=52.85kg・・・・実際はンkgだからオーバー気味・・・・ですね。ヤバイ。(笑い)
が、しかしだ・・・最近は肥満の程度と疾病の発症とが、必ずしも直接対応していないことが指摘され、肥満と肥満症とが区別されてきた経緯があります。

つまり、肥満症診断には肥満度だけではなく、合併症の有無や発症の可能性、蓄積脂肪の分布異常など、いくつかのポイントに目を配ることが必要・・・ということですね。
なるほど、よく肥満には原発性肥満と、二次性肥満があると言われていますが、後者は5%以下の頻度にすぎないそうですね。
その通り。従って現在病院での治療対象のほとんどが、前者の原発性肥満と言っても過言ではないでしょうね。
まず、肥満の治療方針ですが・・・・・むずかしいですよね。
そうね。治療方針そのものを平均化することは、実にむずかしい。

月並みな言い方だが、あくまでもケース・バイ・ケース。

共通事項を述べてみると、まず患者が「やせよう。」という本気にならなければ無駄に終わる。当然、「痩身」そのものに患者が関心、積極性を持たねばならない。

きちっとした動機付けが必要だね。肥満する原因らしきものの究明・・・つまり生活環境、食習慣(ほとんどが該当)、精神的要因(主にストレス等)が掲げられると思う。
それと、肥満合併症と代謝異常、高い疾病率の説明なんかも必要ですね・・・。
そうね。ただ、あまりの恐怖観念を抱かせると、反動で「拒食症」に陥ることもある。この辺のところは充分に留意しながら指導すべきですね。

こういった「下地」があって、はじめて計画的な「減食」が開始可能となる。
「激太り」も困るが、もっと注意すべきは「激ヤセ」ということですね。

まず、「減食」を試みさせ、様子を見る。

方法論にも個人差がありますしね。

とにかく励ますことが必要とつくづく感じますね。それも長期間。指導する側も根気が要りますね。
その通り。

まずは、食事療法。

セオリーでしょうね。

さらに運動療法。

個人のコンディションも鑑みて、「超低エネルギー療法」(VLCD療法)なんて方法もある。

さらに、行動療法、意外と効果的なのは「集団療法」なんてものもある。
皆でやれば怖くない・・・という事?
ん、まぁ、そー言ってしまうと、その通りなんじゃが・・・・肥満教室、肥満クリニックでは、現在それなりの効果が上がっているそうな。

グラフ化体重日記(計画的な体重測定)、自身の肥満パターンを知ること、互いに励ましあいながら、目標をもって実施する方法。

一人ではなかなか不安な方、向きだと思うよ。
先生、さきほど言っていた運動療法はいかがですか?
うん。運動ね。

広義の意味では「運動は体に良い」ということですが、果たして肥満と言われている方がどれだけの運動量をこなせるかが大きな課題となってしまう。

これは決して「無駄」だ、という意味ではなく「運動」は必ず実施して欲しいが、それも合併症が背景に存在している場合に「激しい運動」は、タブーとなってしまうわけ。

実際にかなり肥満している方が懸命に運動しても、残念ながらエネルギー消費は意外と少ないと言われている。

ましてや、「減量」を目標とした「激しい運動」は効果的には期待できないでしょうな。

かえって疲れてしまい、クジケることも確率的に多くなる。

しかしながら、気分転換、「やせてやる」という意欲の向上、万歩計をつけての歩行、軽いジョギングは自身を鼓舞するには大きく貢献すると思うよ。

さて、いよいよ食事療法ですが、原則は「減食」ですよね。

つまりエネルギー摂取と消費のバランスを逆転させ、熱量出納を負にする。おおむね月の減量目標はどれぐらいが妥当ですか?
そうですね・・・月に2〜3kgってとこですね。目標減量値はこれ以上高くても、低くてもダメ。例え100kgの体重ある人もね。
なるほど、けっして無理をしないことですね。半年で2×6=12kgですか?
いや、その計算式は成立しないよ。

2×6≒10kgだ。半年で、10kg。

ワシはこれで充分だと思う。

これ以上を望むと失敗するか、最悪リバウンドを起こし、かえって太ってしまうことがある。

精神的なダメージ゛も大きい。特に女性の場合、性周期になんらかの負荷がかかり、不順になってしまうこともある。要注意です。
具体的に、1日の摂取エネルギーですが、その目標は?
例えば、現在病院の場合、重度の肥満(合併症も存在)の場合は入院させることがある。

食事のカロリー推移として、100−800−600kcal、通院の場合は1400−1200−1000kcalが適当であるとされる。
病院で、栄養士さんも栄養指導を実施しますよね。
特に、合併症ある場合にはね。

例えば、高血圧、糖尿病の患者さんには念を入れて実施していると思う。

つまり食品交換表を用いて摂取食品の内容とカロリーを単位制で指導するのが当たり前の世になった。

例えば、蛋白摂取量は標準体重kg当たり1gは必要でしょうな。

また、適切な蛋白代謝の維持、ケトーシスの予防のためにも炭水化物は最低80gは必要ですね。
はい、それと平行して、ミネラルやビタミンの補給として、総合ビタミン剤を使用すると良いと言われていますね。

それと、空腹感克服の補助として、満腹感を得る目的で「こんにゃく、おから、海藻類、野菜類」を用います。味付けは薄味が良い。

香辛料は「痩身」に良いものもありますが、一般的に胃を刺激し、食欲が増進してしまいますよね・・・・。
食事回数はいかがですか?
もちろん1日3回。

回数を減らすと、妙に「安堵感」がでてきて、逆に「まとめ食い」をしてしまう恐れもある。
プロたん氏お得意の「早食い」も、ごはっとですね。(笑い)
その通り、しぶとい「咀嚼(そしゃく)運動」もけっこう貢献する。早速実行してみるべきですね。間食も厳禁でしょうな。
超低エネルギー食(VLCD)と呼ばれる半飢餓療法は、急速な減量を短期間で行う必要のあるときに有効と聞いていますが、どんな方法なのでしょうか?

ずっと気になっていました。
超低エネルギー食(VLCD)は現在難治性高度肥満の減量への動機づけとして用いられていますね。
動機づけ・・・ですか?
その通り、あくまでも動機づけ・・・。

現在、生物価の高い蛋白質(70g)、糖質(30g)、脂肪(2g)、ビタミン、ミネラル、電解質などを含有する乳蛋白加工食品の「オプティファースト70」が1日420kcal食として市販されている。

味もいろいろあり、好みに応じて各種取り揃えているのが、特長ですね。
オプティファースト70ですか?
そう。

オプティファースト70というのはVLCD(very low calorie diet;超低エネルギー食)療法 に使うもので、そのコントロールされた食品をフォーミュラ食と言う。

そのフォーミュラ食 の製品がオプティファースト70と言われているんだ。

オプティファーストは医療機関向けであるが、一般用がその姉妹品である モディファースト。 それを日本人用にモディファイしたのが、太陽化学株式会社と言う所なわけ。


メーカー 品名 内容量 価格 可食量 エネルギー タンパク質 脂質 糖質 食塩 賞味
ディックライフT オプティファースト70 バニラ 24g×10 3,000 1袋(24g)当り 84 14.0 0.4 6.0 0.5 2年
ディックライフT オプティファースト70 チョコレート 24g×10 3,000 1袋(24g)当り 84 14.0 0.4 6.0 0.5 2年
ディックライフT オプティファースト70 ストロベリー 24g×10 3,000 1袋(24g)当り 84 14.0 0.4 6.0 0.5 2年
ディックライフT オプティファースト70 コーンスープ味 25g×10 3,000 1袋(25g)当り 88 14.6 0.4 7.3 0.8 2年
ディックライフT オプティファースト70 コーンスープ味 25g×50 15,000 1袋(25g)当り 88 14.6 0.4 7.3 0.8 2年
患者の好みに合わせて、バニラ味、チョコレート味、ストロベリー味、コーンスープ味といろいろありますね。
そうです。例えば1袋84kcalを水に溶かし、1日5回服用する。ここで注意しなければならないことは、VLCD療法中は高尿酸血症、高ケトン体血症に注意するとともに、他の検査所見、臨床所見のチェックが必要となる。
つまり、医師の厳重な監督のもとで使用することが必須条件なのですね。
そういうこと。個人(しろうと)が勝手に長期間やったら自殺行為だからね・・・。それとVLCD療法実施中の注意として、尿酸クリアランスを保つために1日2リットル以上の水分を摂取することも重要だ。一般食とのコンビネーション療法もコースで存在する。
うーん、なかなか痩せるのも大変ですね。食事はあまり極端に落としたくない、運動も仕事が多忙?で計画的に実施できない。

重症の高度肥満者ではないが、これ以上ぜったいに太りたくない、できたらまず4〜5キロ落としたい・・・・
・・・極めて「我田引水」的ですが、そろそろ漢方の出番ですね。先生。
そう、極めて「我田引水」的ですね。(笑い)

俗に「漢方ダイエット」なんてイメージ言葉がまかり通っているようですが、体重何キロか減量する目的だけで、漢方に飛びついたとすると・・・必ず失敗すると私は思いますね・・・。

例えば超有名処方「防風通聖散」(ぼうふうつうしょうさん)

これには何ヶ月服用したら「何キロ痩せる」との効能は無い。(笑い)
能書き(適応)は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、
むくみ、便秘」というのが、一般的な「効能・効果」です。つまり「痩せる」のを目的とした薬ではなく、「随伴症状」を改善する薬なのです。
すると、体質改善薬として、長期間服用していたら、「肩こりや便秘」が次第に改善し、気が付くと血圧も安定し、体が軽くなった。

体重を測定したら、たまたま体重が減少していて嬉しかった・・・・こんな感じですか?
そう、そういう感じ・・・・あくまでも「体が軽くなる」という効能はとれていないがね。(笑い)

「防風通聖散」(ぼうふうつうしょうさん)詳細≫
そもそも体質改善が目的だから、何キロ痩せるという保証はない。
よく「漢方の痩せ薬をください。」と、お問合せがあるけど、「当店には申し訳ないが、そういった漢方薬はありません・・・」とつい言ってしまうね。
だから、プロたんの売上が悪いワケ。(笑い)でも、その言葉のあとに「痩せ薬ではないけど、もっと広い意味で、食事制限と運動療法に補足する漢方ならございますよ。」とフォローするのが私。

困りますよ・・・本当に。
いや、すまんすまん。(笑い)
フォローアップの漢方処方としては、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)大柴胡湯(だいさいことう)などが頻繁に出ていますね。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、いわゆる水毒改善の漢方薬。効能として「色白で疲れやすく汗のかきやすい傾向のある次の諸症 肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、関節痛、むくみ」があげられる。

この防己黄耆湯(ぼおいおうぎとう)もどちらかというと足の浮腫、ひざ関節症に多用されている有名な処方です。

これは水太りをいきなり改善して、スッキリしたナイスボディーにするということではありません。

決して誤解のないように・・・・・水毒症を期間をかけて辛抱よく改善し、むくみも次第にとれ、関節の炎症部位への負担軽減、結果論として体重が減少するというプロセスがあるということを念頭に置きたいと思います。
次にご紹介するのが、大柴胡湯(だいさいことう)です。

「がっちりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向のあるものの次の諸症 胃炎、常習便秘、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘、肩こり、肥満症」が適応とされていますね。

この処方は「柴胡剤」の代表とも言えますね。一応「肥満症」の効能はとれているようですが・・・・・。でも、肥満症の改善目的だけでは使用しませんよね?
全くその通り。「柴胡剤」は体力を増し、減退している胃腸機能も改善するから、かえって食欲も増すでしょうね。(笑い)

ところが、「証」が合うと、結果的にお通じが大変良好となり、頭痛・肩こりも次第にやわらぐ。以前、これを服用していた肥満体の男性が、たしか半年で10キロ以上痩せたよね・・・。
そうなんです。私も驚きました。それと、この男性の最初からの目的は「便秘と高血圧」だったんです。決して「痩身」ではありません。もとより、「やせる」ことは半ば諦めかけていた方ですから・・・・
なんとなく、「旦那さん・おカミさん」タイプの方の漢方処方。(笑い)

高血圧・便秘・肩こり・・・この三つが少しでも改善すれば「もうけモン」でしょうな。ついでに、しばらくしてから体重測定して、こちらも減量できていれば、さらにラッキー・・・!ですな。


■平成17年12月 改訂



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