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本音で対談シリーズ:膀胱炎と漢方 日時場所:平成14年2月8日 プロたん内にて
■平成17年12月リニューアル
話し手: 管理薬剤師薬剤師 プロたん
略歴:元病院薬剤師(20年間)
一般市販薬・漢方(販売歴16年目)
    現プロたん 代表
話し手: 漢方外来担当(レディース外来) 沙織(さおり)
略歴:一般市販薬・漢方(販売歴16年目)
今日は「膀胱炎」のことについて少しお話したいと思います。

「膀胱炎みたい・・・。」と薬局に、恐る恐るご相談にいらっしゃる患者さん。最近多いですね。
「めんどうだから、ついつい・・・」、「恥ずかしいから・・」とウロ(泌尿器科)に全く受診しない人もいるね。

すでに「血尿」が出ているなど、悪化している例もよく相談を受けるが・・・困ったもんだ。漢方薬でボチボチ効かす・・・なんて悠長なコト言ってられないので、すぐに近医をご紹介するが、なかなかその気になって頂けない時もある。
単に「トイレをがまんしてしまった。」、「冷え込んでしまった。」とか理由がはっきりしている時には、薬局サイドでも多少の対応がとれますが、症状がひどい、突然かつ初めての症状・・・というのは要注意ですね。

まず医師の診断、検査、適切な投薬が必要となります。

先生、通常、「膀胱炎」というのは、一般細菌による膀胱の非特異性感染症を意味し、尿路局所の基礎疾患の有無により、複雑性と単純性とに分かれますよね?
うん、まあ、あくまでも便宜上二つに分けたと思うが、単純性はどちらかというと急性。複雑性を慢性と言った方が患者さんにはわかりやすい。

特に、急性は原則として、女性に多く、男性の場合には中年以降では慢性、青壮年では前立腺炎の膀胱炎症状と考える方がよいと思う。
ちなみに、病院での診断・治療のポイントというとどういうことを実施するのでしょうか?
そりゃあードクターによって手法は違うので、ワシはなんとも言えんが・・・・ま、基本的には排尿痛、頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状のみでは診断はくださない。

例え患者が「膀胱炎だ。」と飛び込んできてもだ。マニュアル通り、基礎疾患の検索をする。
採尿ですか。
そう、まず採尿、それも中間尿をね。で、膿尿(白血球数5個/hpf以上)と細菌尿の確認を行う。

また、症状悪化や、頻回再発例の場合は、状態に沿って精査(精密検査)をする。
なるほど、例えば細菌性膀胱炎のケースで、急性単純性膀胱炎は性的活動期の女性の疾患が大半を占め、原因菌は大腸菌が約80%と言われていますね。
ですね。・・・・大腸菌とクレブシエラ、ミラビリス変形菌を加えたいわゆるグラム陰性三大強毒菌が約90%を占める。残り10%がコアグラーゼ陰性ブドウ球菌であり、特にサプロフィチカスが夏場に若い女性から分離されることが多い。

悪化すると血尿を伴い、また発熱した場合は感染が腎への波及も意味するため、要注意。つまり、急性腎盂腎炎として対処するようだ。

症状に応じ、抗生物質を投与する。最近は合成抗菌剤(ニューキノロン)が主流。一般療法としては、患者の安静、保温、水分摂取は言うまでもないね。
投薬期間は大体3日間ですよね。
そう、おおむね3日間しか抗生物質はでないと思うよ。そして、一週間後に治癒判定だ。この一週間後の検査に皆どういうわけか行かない。(笑)

症状が軽快したから、治ったと思うのかも・・。
そこに、慢性化への「落とし穴」があるのね。
一方、慢性複雑性膀胱炎については、いろいろと要因がぞろぞろある・・・。要注意じゃな。(ワシを含めて・・汗)

膀胱腫瘍、神経因性膀胱、前立腺肥大症、前立腺癌、尿道狭窄、ひどい冷え性などいろいろある。

細菌は大腸菌の頻度が減少。

緑膿菌、セラチア、エンテロバクターなどのグラム陰性弱毒菌および腸球菌などが増加する。

この場合の抗菌薬投与期間はちと長くなる。
一週間ぐらい?尿細菌検査の成績に基づく感受性薬剤の投与ですよね・・・。
いや、ケースにより14日間なんてものもある。そして休薬7日間で、再検査。再燃したら再投薬。(めんどうだよな・・・。)
私は、患者さんへのアドバイスとして、以下のことを言っております。

1.再発予防には、十分な水分摂取とこまめな排尿。(性交後の排尿を含む)

2.繰り返す膀胱炎には誘因ないし、原因(基礎疾患)があり、泌尿器科での検査が必要。
とにかく、おトイレをがまんしないこと。

水分を十分にとることがコツじゃな。
とにかく以上のプロセスを以って、本日の本題「膀胱炎と漢方」を語れるわけですね。
そうなんだ、膀胱炎は漢方で簡単に治ると思われてしまうと、薬剤師としても困る。

原因には、又その背景にはいろいろあるんだと言うことを、まず患者さんに理解して頂かないと、「はい、そうですか・・・。」と、安易に漢方薬はお渡しできない。

昔はご婦人の「冷え性」にありがちな「膀胱炎」ということであったが、近年、若い女性を中心に増加している傾向もある。日常のケアを含めて、懇切に相談にのれる体制づくりが薬局には必要だと思う。
はい、・・・・わかりました。(くどいなもぉ・・・)

現代医学的には膀胱炎と尿道炎は別種の疾患として扱いますが、漢方療法では排尿痛、残尿感、尿混濁、頻尿などの排尿異常を主とする一連の症候群として対処しているようですが・・・・・。
対処するというよりも、泌尿器系に効く漢方処方の適応範囲があまりにも広い・・・と言ったほうが正確じゃな。

例えば「猪苓湯(ちょれいとう)」というごく有名な処方があるが、頻尿、残尿感、排尿痛、尿量減少などの排尿異常のほかに血尿にも効果がある。もっとも、血尿が出るほど悪化しているのならば、第一選択は抗菌剤になるが・・・・。

いずれにしても、尿道の殺菌消毒作用、排石効果(尿路結石)も有する「猪苓湯」はまさに「すごい漢方処方」だ。

証も虚実間証、体力中等度の人で、脈、腹力ともにやや軟弱、のどが乾くが汗はあまり出ない。

尿意はしばしばあるがあまり出ない・・・という方には、どんぴしゃりだ。

ぜひおすすめする。漢方薬にしては珍しく早めに効く処方でもある。

猪苓湯(ちょれいとう)詳細≫
他に、実証向きの「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」、虚実間証の「五淋散(ごりんさん)」などもありますが、やはりプロたん先生は「猪苓湯」ですか?

それと「猪苓湯」と「四物湯(しもつとう)」とを合方した「猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)」という処方もよく出てますね。
四物湯(しもつとう)詳細≫
「猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)」は「下腹部に脱力感」があり、疲れやすい、手足が冷え込んでいる等、女性特有の症状も全体的に改善していく最高の処方だと思う。

特に「冷える」と膀胱炎症状を呈する女性の方にぜひおすすめする「体質改善」の漢方処方だ。
猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)」は、ひょっとして私にぴったりの処方かも?(汗)



平成17年12月 改訂



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