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副題:アトピーに効く漢方はあるのか・・・??

■医療用漢方製剤から一般販売用漢方製剤へのデーターリンク



アトピーシリーズ その2.

はじめに

ご承知のように、アレルギー性皮膚炎は近年に至り益々増加の一途を辿り、特にアトピー性皮膚炎におきましては、環境の複雑化に伴い、実に難解、難治性であるほど悪化の傾向の模様です。

当ページを作成したいきさつとして・・・・2003年7月30日の夜、某テレビ番組で、「アトピー性皮膚炎」の特集を放映いたしました。

その番組の中で、漢方療法を紹介し、主に「梔子柏皮湯(ししはくひとう)」を中心にいくつかの処方の説明がなされました。

視聴者への影響が大きく、全国ネットのこともあり、その後の商品流通はすさまじく、当時しばらくは「市場すべてが欠品状態」という事態が起こり、困ったことがまだ記憶に残っております。

当店にも引き合いが短時間で、平素の数倍に膨れました。「梔子柏皮湯(ししはくひとう)」のご注文は正直言って嬉しい(^^)vのですが、一番困るのは、ユーザーの皆様に、アトピーの漢方処方は「もうこれしかない・・。」と、思われることです。

まだまだ、優秀な処方はいっぱいあるのです。あるにもかかわらず、梔子柏皮湯が万が一「効かなかった」場合に「漢方薬は駄目、効かない」と思われることを小生は案じておりました。
そういった老婆心もあり、急遽このコーナーも当サイトの特集「皮膚掻痒症と梔子柏皮湯」の続編として、編集した経緯がございます。

今回、あれから既に3年を経過し、内容を更新させて頂きました。

ステロイド剤は鬼か悪魔か

小生自身が永年病院勤務時代から業務上、ステロイド剤(製剤科)に携わっていた関係で、ことステロイド薬禍や、副作用のニュースを「ぜったいに使用してはならぬ薬、鬼か悪魔か・・・」のような表現にて日々こてんぱんに報じられることは甚だ残念でございます。

薬剤師として申すならば、仰せの通り「漫然と長期に渡りステロイド剤を塗りたくる」のはよろしくありません。

しかしながら、ステロイドホルモンはそもそも皆さん自身が保有している大事な成分。

交通事故障害、術時、点滴剤など近年の救命救急医療には欠かせぬ成分でもあります。

医療受給者、つまりユーザーサイドとしてもその辺の認識は十分に周知されていれば、よろしいかと思います。

使用している薬剤につき、万が一ご不安でしたら最寄の薬局・薬店の薬剤師に必ずご相談ください。(詳細を説明してくれるはずです。)

時折、「怖いステロイド剤を野放しにしている薬剤師の見解をお聞きしたい。」とのお手紙??を頂きますので、上記ご返事にかえさせてます。


アトピーの漢方処方のあり方
さて、話は横道にそれましたが、かねてからのメールお問い合わせの多かった「アトピーの漢方」について、以下、甚だ拙い記述ですが、小生なりにまとめさせて頂きました。

今後の漢方療法に少しでもお役に立てれば幸いです。

なお、ご紹介申し上げた漢方処方はあくまでも小生(プロたん)の経験論から由来するものであり、アトピーの漢方で「これだ」という単独の「特効薬」は存在いたしません。

ご本人の体質、症状により、漢方処方も、おのずと変わって参ります。

ただ一つここで言えるのは、下記データーはアトピーの漢方応用として一番治験例が多い処方ということで掲載したものです。
ご了承くださいませ。

(2003.08.14.)プロたん拙稿
(2005.08.17.)一部加筆修正
(2006.10.16.)全面修正
(2007.08.23)一部加筆修正






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今日の医療用漢方製剤について・・・・


・アトピーの症例で現在、診療機関で繁用される漢方処方(医療用漢方製剤)を下記にまとめてみました。

・あくまでも「使用されている」という意味で、必ずしもこれですぐアトピーが「完治する」とは言えません。

・現在病院で使用されている医療用漢方製剤の「用い方」として、あくまでも主剤は新薬内服(例.アレジオン、アレグラ、アレロック、ジルテック、クラリチン、エバステル、タリオン、オノン・・・などなどetc.)そして、ステロイド外用、非ステ外用、保湿、殺菌消毒剤・・・・そして、やっとこ医療用漢方製剤と、概ね「四の次」ぐらいのポストを与えられているのが概ねの現状のようですね。はい。

・あくまでも、漢方はこういった「主役」たちをサポートする「助っ人」的な存在と言っては、T社さんやK社さんには申し訳ないですが、是非はともかくとして、今まで実際そのような使い方をされてきた経緯もございます。

・しかし、近年に至り、各大学病院に「東洋医学外来」が内科(膠原病)、皮膚科(アレルギー)、産婦人科(婦人疾患)などに正式に設置され、東洋医学をも専攻された医師らが率先して、「漢方診療」を実施し、さらに地域診療所においても東洋医学(漢方薬、鍼)などを積極的に取り入れる先生方が増えてまいりました。

・実に嬉しい話でございます。患者さんが自身に合った、極端な話、「患者が医療機関を選べる」時代が本格的に到来したわけです。

・医療用漢方エキス剤、つまり例のパラパラした顆粒剤は正直言って小生はあまり好きではありませんが、この「医療の変革と流れ」を見ますと、医療用漢方エキス剤の「貢献度」は実に「大」でございました。

・漢方薬が、健康保険で、手に入れることができる・・・・・素晴しい・・・・。

・と思っていたのもつかの間のことで、保険法の改正(いや改訂?)で、周知のように負担金がどっと増額されました。当然高額の医療用漢方製剤の需要にも影響はでているとのことです。

・せっかくの盛り上がりも、幾分興ざめの今日この頃でございます。

・実に我田引水的ではありますが、そんな時には、ぜひプロたんの漢方薬もぜひお忘れなくご利用頂きたいと思います。(^^ゞご奉仕します・・・・。 
よく聞いて、そして読んで頂きたい・・・。


・とにかく、絶え間ない日々の環境改善、ケアなどを踏まえ、医師の管轄下、かつ指示の元に処方されるのが医療用漢方製剤です。経過観察をしながら患者さんとの対話も含めてのプロセスが必要なことは小生が言うまでもないことです。

・このことから、一般に売られている漢方製剤にも同様のことが言え、決して「勝手な判断をせず」に、少しでもわからないことがあったらこまめに最寄の薬局薬剤師に聞いて頂きたいと存知ます。

・身近にいないようでしたら、甚だ非力、自信もありませんが、メールなどで、小生に聞いてみてください。

・それと、聞くだけではなく、必ず「勉強」して頂きたいと思います。簡単な漢方の書籍は本屋さんで手ごろなお値段で売っております。

・小生の初心者へのおすすめは、土屋書店の「健康保険が使える症状別 漢方薬の選び方・使い方」(鉄砲洲診療所長:木下繁太郎先生著)で、1981年の初版本を持っていますが、何千回(いや何万回?)も見開いたせいか、真っ黒のボロボロです。現在では増刷され二色刷り?になっているとの話を聞きました。

・とくにこれから漢方を「立ち読み感覚」で勉強したいと思われる方にはおすすめします。肩のこらないバイブルになります。(1,100円は安いです)

「アトピー性皮膚炎」という適応症について・・・。


下記一覧表をご覧になるとおわかりのように、ほとんどの漢方処方につき医療用漢方製剤を含めて「アトピー性皮膚炎」という適応症が取れていないのが現況のようです。

その理由として、漢方医学特有の随証論に起因するようです。

つまり、病気の概念、病理学的診断方法が、西洋医学の考えと東洋医学的思想の大きな隔たりがあり、漢方医学を西洋医学風にアレンジしようと体系づけても(隋病)しょせん無理がくる・・・・・漢方の世界は決して「病名」にはこだわらず、体全体の状況、本人の体質を診断しながらステップを踏んでいく・・・・・だから、アトピー性皮膚炎であろうとも一般の湿疹の治療方針、「診たて」もほとんどかわらず、ほぼ同じ処方となるはずです。

漢方の副作用はいかがでしょうか?漢方と言えども医薬品ですので、当然のようにございます。

でも「切れ味の良好な」新薬、つまり合成薬と比較すれば、くらべものにならぬくらい軽微と言えるでしょう。人体に優しいのが漢方薬の特徴とも言えます。

 1999年11月24日にステロイドとは異質のタクロリムス(プロトピック軟膏)という免疫抑制剤がアトピー性皮膚炎治療剤として発売され、あまりの「効き目?」に現在もなお脚光を浴びているようですが、「漢方治療」はこのような製剤とは全く異なる手法をもって、あくまでも自然に、かつ体に優しく働きかけ、体質改善を目的としてこつこつと根気よく使用していくわけです。(ある意味では地味ですね)
おことわり



今回、あえて医療用漢方製剤のデーターを含めて記載したかと申しますと、ややもするとアトピーの患者さんは皮膚疾患のみならず、「鼻炎」又は「ぜんそく」など、または最悪、「三種混合型」の場合、併科受診をいたしております。

薬剤種も多くなり、調剤をする薬剤師による「薬物相互作用」(飲み合わせ)チェックもさらに必要となります。

そういう意味も踏まえて、医療用の漢方製剤の文献でうたわれている「適応」「注意」・「相互作用」・「副作用」の欄も設けました。

また、実際の医療機関で処方されている漢方製剤はどのような「適応」をもって取り扱われているのか?
薬局で販売されている「漢方製剤」に印刷されている「適応症」と随分と違う「部分」もあるとのことで、互いに較べてぜひ参考にして頂きたいと思います。


参考文献:治療薬マニュアル(医学書院)、今日の治療指針(医学書院)、医学大辞典(南山堂)、今日の治療薬(南江堂)







実 証
処方名(原典名) 一般的な用い方・その他
十味敗毒湯
(じゅうみはいどくとう)
めやす 体力中等度の人の諸種の皮膚疾患で,患部は発散性あるいは,びまん性の発疹で覆われ,滲出液の少ない場合に用いる.
1)患部に化膿を伴うかあるいは化膿を繰り返す場合 
2)季肋下部に軽度の抵抗・圧痛を認める場合
成分 サイコ,キキョウ,センキュウ,ブクリョウ,ボウフウ,カンゾウ,ケイガイ,ショウキョウ,ドッカツ,ボクソウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
化膿性皮膚疾患,急性皮膚疾患の初期,蕁麻疹,急性湿疹,水虫
注意 体力のない虚弱な患者
他処方との鑑別 1)荊芥連翹湯:体力中等度,上半身の炎症,皮膚の色素沈着,手掌の発汗
2)加味逍遥散:体力中等度以下,発作性顔面紅潮,胸脇苦満,臍傍の圧痛
3)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚 
4)清上防風湯:体力中等度以上,上半身の炎症,顔面紅潮 
5)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇 
6)葛根湯:体力中等度以上,上半身の炎症,項背の凝り
消風散
(しょうふうさん)
めやす 比較的体力のある人の慢性の皮膚疾患で,患部に熱感があって,多くは湿潤し,そう痒のはなはだしい場合に用いる.
1)頑固な皮疹で,分泌物があって痂皮を形成し,その外観が汚穢で地肌に赤味を帯び,口渇を訴える場合 
2)皮膚の病変が夏季にむかって,増悪する傾向のある場合
成分 セッコウ,ジオウ,トウキ,ソウジュツ,ボウフウ,モクツウ,チモ,カンゾウ,クジン,ケイガイ,ゴボウシ,ゴマ,センタイ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
分泌物が多く,かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹,蕁麻疹,水虫,あせも,皮膚そう痒症)
注意 1)患部に分泌物がなくて乾いている場合 
2)著しく体力の衰えている患者 
3)著しく胃腸虚弱な患者
他処方との鑑別 1)越婢加朮湯:体力中等度,顔面紅潮,浮腫傾向,尿量減少,分泌物あり
2)十味敗毒湯:体力中等度,化膿傾向,顔色不良,乾燥した皮疹 
3)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,皮膚の色素沈着 
4)白虎加人参湯:体力中等度以上,著しい口渇,尿量の減少はない. 5)葛根湯:体力中等度以上,急性期で炎症症状の強いもの
治頭瘡一方
(ちずそういっぽう)
めやす 比較的体力のある人,頭部・顔面の皮膚疾患,発赤,丘疹,水泡,結痂,浸出液等,そう痒感,化膿を伴う.主に小児
成分 センキュウ,ソウジュツ,レンギョウ,ボウフウ,カンゾウ,ケイガイ,コウカ,ニンドウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
乳児の湿疹,脂漏湿疹,湿疹,アトピー性皮膚炎,せつ,癰
他処方との鑑別 1)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇,皮疹は汚穢 
2)十味敗毒湯:体力中等度,浸出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満 
3)清上防風湯:体力中等度以上,上半身の炎症,顔面の紅潮 
4)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚
清上防風湯
(せいじょうぼうふうとう)
めやす 比較的体力が充実した人,顔面,頭部の発疹,発赤,化膿しやすい場合.(のぼせ,赤ら顔,頭痛,めまい,眼球結膜の充血).青年男女
成分 オウゴン,キキョウ,サイシン,センキュウ,ハマボウフウ,ビャクシ,オウレン,カンゾウ,キジツ,ケイガイ,ハッカ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
尋常性ざ瘡,頭部・顔面湿疹,酒さ性ざ瘡,その他,慢性中耳炎,慢性副鼻腔炎,慢性結膜炎,頭部・顔面癰・せつ・疔など
他処方との鑑別 1)十味敗毒湯:体力中等度,浸出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満 
2)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇,皮疹は汚穢 
3)荊芥連翅湯:体力中等度,上半身の炎症,皮膚の色素沈着,手掌の発汗
4)越婢加朮湯:体力中等度,赤ら顔,湿潤した皮疹,口渇,尿量減少 
5)葛根湯:体力中等度以上,頭痛,肩こり,自然発汗なし,上半身の炎症,鼻炎
白虎加人参湯
(びゃっこかにんじんとう)
めやす 比較的体力がある人で,急性症では激しい口渇や発汗,身体的灼熱感などを伴って高熱を発する場合に用いる.慢性症では,口渇,局所的灼熱感,のぼせ,発疹,皮膚そう痒感,時として尿量の増加,発汗などを呈する場合に用いる.
成分 セッコウ,チモ,カンゾウ,ニンジン,コウベイ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
喉の渇きとほてりのあるもの
他処方との鑑別 (口渇について)
1)五苓散:体力中等度,口渇と共に尿量減少がある.身体の熱感には乏しい. 
2)八味地黄丸:体力中等度以下,口渇,足腰の冷え,夜間頻尿 
3)牛車腎気丸:体力中等度以下,口渇,足腰の冷え,足腰の疼痛,浮腫

(皮膚そう痒感について)
1)消風散:体力充実,湿潤した皮疹,皮疹は汚穢,茄皮形成,苔癬化 
2)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚.口渇は伴わない.
排膿散及湯
(はいのうさんきゅうとう)
めやす 体力中等度の人を中心に,主として皮膚,粘膜の化膿性疾患に用いる.発症の初期,中期,および化膿の遷延,再燃時,いずれの場合にも消炎,排膿の効果がある.
成分 キキョウ,カンゾウ,キジツ,シャクヤク,ショウキョウ,タイソウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
副鼻腔炎,鼻炎,中耳炎,歯槽膿漏,歯齦炎,麦粒腫,せつ,癰.その他,化膿性リンパ腺炎,瘰疽,乳腺炎,肛門周囲膿瘍,創傷の化膿など
注意 (相互作用)
フロセミド,エタクリン酸またはチアジド系利尿薬との併用→血清カリウム値の低下
他処方との鑑別 1)葛根湯:急性の化膿,後頭部の凝り,体力中等度以上 
2)十味敗毒湯:小化膿巣,胸脇苦満,皮膚の色素沈着,体力中等度 
3)清上防風湯:頭部,顔面の化膿,赤ら顔,体力充実 
4)大黄牡丹皮湯:尿路,消化管,肛門周囲の化膿,便秘,体力中等度以上
5)乙字湯:肛門周囲の化膿,便秘,体力中等度 
6)十全大補湯:慢性化した化膿,体力低下,貧血 
7)小柴胡湯加桔梗石膏:扁桃腺炎,頸部リンパ節腫脹
三黄瀉心湯
(さんおうしゃしんとう)
めやす 比較的体力のある人が,のぼせて顔面が紅潮,気分がイライラしておちつかないなどの精神神経症状を訴える場合に用いられる.このとき,不安,不眠,頭痛,耳鳴,便秘の傾向があって,鼻出血,吐血,下血などの諸出血を伴うことがある.
成分 オウゴン,オウレン,ダイオウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
高血圧症,動脈硬化症,諸種の出血(鼻出血,痔出血,吐血など),不安神経症,自律神経失調症,更年期障害.その他,不眠症,口内炎,便秘,胃炎,宿酔,湿疹,蕁麻疹
注意 悪寒,下痢の傾向,著しく体力の衰えている人
他処方との鑑別 1)黄連解毒湯:体力中等度以上,のぼせ,精神不安,身体の熱感,出血傾向 
2)桃核承気湯:お血症候群,体力充実,便秘,のぼせ,精神不安 
3)柴胡加竜骨牡蛎湯:体力中等度以上,腹力充実,腹大動脈の拍動亢進
葛根湯
(かっこんとう)
めやす 比較的体力のある人で,炎症性あるいは疼痛性疾患の初期,あるいは慢性疾患の急性増悪期に用いる.
1)感冒等の熱性疾患では,初期で悪寒,発熱,頭痛,項背部のこわばりなどがあって,自然発汗などを伴わない場合 
2)疼痛性疾患では局所の疼痛,腫脹,発赤等を訴える場合 
3)患部が発赤,腫脹し,そう痒感の強い皮膚疾患の初期
成分 カッコン,タイソウ,マオウ,カンゾウ,ケイヒ,シャクヤク,ショウキョウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
自然発汗がなく頭痛,発熱,悪寒,肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,発熱疾患の初期,炎症性疾患の初期(結膜炎,角膜炎,中耳炎,扁桃腺,乳腺炎,リンパ腺炎),肩こり,上半身の神経痛,蕁麻疹
注意 1)食欲減退,悪心,嘔吐 
2)著しい発汗傾向 
3)著しい胃腸虚弱 
4)病後の衰弱期,著しく体力の衰えている患者 
5)狭心症,心筋梗塞などの循環器系の障害,既往歴

(相互作用)
1)交感神経興奮薬→動悸,頻脈等 
2)解熱薬→過度の発汗,精神不穏,動悸
他処方との鑑別 (感冒について)
1)麻黄湯:自然発汗なし,咳嗽,喘鳴,筋肉痛 
2)桂枝湯:自然発汗あり,鼻閉,鼻汁 
3)小青竜湯:自然発汗あり,胃腸虚弱,胃部振水音,鼻閉,水様鼻汁 
4)麻黄附子細辛湯:全身の悪寒,蒼白な顔貌,熱感に乏しい,咽痛,倦怠感 
5)真武湯:全身の悪寒,手足の冷え,倦怠感,下痢



虚実間証
越婢加朮湯
(えっぴかじゅつとう)
めやす 比較的体力のある人で,冷え性でなく,浮腫,発汗傾向,口渇があり,尿量減少する場合に用いる.
1)四肢関節の腫脹,疼痛,熱感などのある場合
成分 セッコウ,マオウ,ソウジュツ,カンゾウ,タイソウ,ショウキョウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
浮腫と汗が出て小便不利のあるものの次の諸症:腎炎,ネフローゼ,脚気,関節リウマチ,夜尿症,湿疹
注意 1)著しく体力が衰えている. 
2)著しく胃腸虚弱 
3)狭心症,心筋梗塞など循環器系の障害又は既往歴

(相互作用)
交感神経興奮薬→動悸頻脈等
他処方との鑑別 1)よく苡仁湯:関節痛,体力中等度以上.慢性化した関節痛,口渇や尿量減少は伴わない. 
2)葛根湯:関節痛,体力中等度以上,急性の関節痛,口渇や尿量減少を伴わない. 
3)防已黄耆湯:関節痛,体力中等度以下,水ぶとり,多汗,浮腫傾向 
4)五苓散:浮腫,口渇,尿量減少,冷えの傾向はない. 
5)柴苓湯:浮腫,口渇,尿量減少,胸脇苦満,食欲低下 
6)消風散:湿疹,浸出物多い.口渇,色素沈着,皮疹は汚穢 
7)白虎加人参湯:湿疹,体力中等度以上,著しい口渇.尿量の減少はない
8)桂枝加朮附湯:体力中等度以下,発汗傾向,筋の攣縮,悪寒.口渇は伴わない
温清飲
(うんせいいん)
めやす 体力中等度,皮膚の栄養が低下乾燥傾向,黄褐色.のぼせ,手足のほてり,神経過敏,出血傾向.患部は一般に乾燥して分泌物は少なく,発赤,熱感があって,そう痒感が強い.時として落屑,痂皮,血痂などを伴う.腹部は肋骨弓下部および腹直筋が緊張し,抵抗のあることが多い.
成分 ジオウ,シャクヤク,センキュウ,トウキ,オウゴン,オウバク,オウレン,サンシシ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
湿疹,口内炎,皮膚そう痒症,更年期障害,血の道症(婦人の月経周期に関連して起こる精神神経症状),性器出血,痔出血.その他,神経症,月経不順,月経困難症,尋常性乾癬,蕁麻疹,ベーチェット病など
他処方との鑑別 1)黄連解毒湯:体力中等度以上,のぼせ,精神不安,身体の熱感,出血傾向 
2)きゅう帰膠艾湯:体力中等度以下,貧血,出血傾向,手足の冷え,皮膚の荒れ 
3)桂枝茯苓丸:お血症候群,体力中等度,のぼせ,便秘傾向なし. 
4)十味敗毒湯:体力中等度,滲出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満 
5)消風散:体力中等度以上,滲出液の多い皮疹,痂皮形成,強いそう痒感6)白虎加人参湯:体力中等度以上,口渇,尿量増加,身体の熱感
荊芥連翹湯
(けいがいれんぎょうとう)
めやす 体力中等度の人を中心に幅広く用いられ,顔面,耳,咽頭,上気道などに発する炎症性諸疾患,とくに慢性化したものに好んで使用される.一般に皮膚の色が浅黒くて,手足の裏に汗をかきやすく副鼻腔,外耳,中耳,扁桃などに炎症を起こしやすい場合に用いる.腹部は腹直筋が全体的に緊張していることが多い.
成分 オウゴン,オウバク,オウレン,キキョウ,キジツ,ケイガイ,サイコ,サンシシ,ジオウ,シャクヤク,センキュウ,トウキ,ハッカ,ビャクシ,ボウフウ,レンギョウ,カンゾウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
慢性副鼻腔炎,慢性鼻炎,慢性扁桃炎,急性・慢性中耳炎,慢性頸部顎下部リンパ節炎,その他,にきび,湿疹などに用いられることがある
他処方との鑑別 1)柴胡清肝湯:体力中等度以下,口中の不快感,食欲不振,胸脇苦満 2)小柴胡湯加桔梗石膏:体力中等度,胸脇苦満,微熱,口渇 
3)葛根湯加川きゅう辛夷:体力中等度以上,後頭部の凝り,顔面充血 
4)葛根湯:体力中等度以上,頭痛,肩こり,自然発汗なし,上半身の炎症,鼻炎
黄連解毒湯
(おうれんげどくとう)
めやす 体力中等度もしくはそれ以上の人で,のぼせ気味で顔面紅潮し,精神不安,不眠,イライラなどの精神神経症状を訴える場合に用いる.
1)心窩部の膨満感を訴える場合 
2)鼻出血,喀血,吐血,痔出血,下血など諸種の出血を伴う場合 
3)発疹,そう痒感などの皮膚症状を伴う場合
成分 オウゴン,オウレン,サンシシ,オウバク
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
比較的体力があり,のぼせ気味で,イライラする傾向のあるものの次の諸症:
1)喀血,吐血,下血,脳溢血,高血圧,心悸亢進,ノイローゼ,皮膚そう痒症,胃炎 (ツムラのみ適応承認)
2)鼻出血,不眠症,ノイローゼ,胃炎,二日酔い,血の道症,めまい,動悸(鐘紡のみ適応承認).著しく体力の衰えている患者
副作用 まれに間質性肺炎→中止,加療
併用 湿疹,皮膚炎等で皮膚枯燥,皮膚の色素沈着を伴う場合には四物湯を併用する.
他処方との鑑別 1)温清飲:体力中等度,皮疹,皮膚枯燥,皮膚の色素沈着 
2)柴胡加竜骨牡蛎湯:体力中等度以上,胸脇苦満,腹大動脈拍動亢進3)茵ちん蒿湯:体力中等度,黄疸,便秘,皮膚そう痒症 
4)釣藤散:体力中等度以下,高血圧,頭痛,眼痛 
5)半夏瀉心湯:体力中等度,心窩部痛,腹鳴,下痢傾向 
6)三黄瀉心湯:体力中等度以上,のぼせ,精神不安,便秘,心窩部痛 7)五苓散:体力中等度,口渇,尿量減少,浮腫,嘔吐,頭痛,二日酔 
8)桂枝人参湯:体力低下,胃腸虚弱下痢,頭痛,冷え性 
9)きゅう帰膠艾湯:体力中等度以下,貧血,出血傾向,手足の冷え,皮膚の荒れ
柴胡清肝湯
(さいこせいかんとう)
めやす 上気道炎を繰り返し,あるいは慢性化した人に好んで使用される.特に小児に多く用いられる.すなわち,一般に皮膚の色が浅黒くて,扁桃,頸部や顎下部リンパ腺に炎症腫脹を起こしやすい場合に用いる.腹部は,両腹直筋の緊張や,季肋下部の抵抗圧痛(胸脇苦満)がある.
成分 サイコ,オウゴン,オウバク,オウレン,カロコン,カンゾウ,キキョウ,サンシシ,ジオウ,シャクヤク,センキュウ,トウキ,ハッカ,レンギョウ,ゴボウシ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
慢性および再発性扁桃炎,頸部顎下部リンパ腺炎,アデノイド,咽頭炎,喉頭炎.その他,虚弱児童の体質改善,湿疹など
他処方との鑑別 1)小柴胡湯:大柴胡湯に近似するが,胸脇苦満,腹壁の緊張度は著明でない.便秘傾向も伴わない. 
2)小建中湯:易疲労,小児夜尿症,腹直筋の緊張,腹痛 
3)柴胡桂枝湯:体力中等度以下,胸脇苦満,発汗傾向,口苦,易怒性
梔子柏皮湯
(ししはくひとう)
めやす 体力中等度で皮膚のそう痒を訴える次のような病態.1)肝臓部の緩和な圧迫感,軽微な黄疸症状,皮膚のそう痒,炎症充血を目標に,肝臓疾患,蕁麻疹,皮膚そう痒症,宿酔などに用いる. 2)蕁麻疹,皮膚そう痒症には発赤や腫脹,そう痒があるもので,その他の所見がないものに用いる.
成分 サンシシ,カンゾウ,オウバク
適応 黄疸,皮膚そう痒症,宿酔
注意
(医療用漢方製剤の適応症です)
体力の著しく低下しているもの
他処方との鑑別 1)菌ちん蒿湯:体力中等度,肝障害,口渇,頭部の発汗 
2)黄連解毒湯:体力中等度以上,顔面紅潮,充血,出血 
3)加味逍遥散:体力中等度以下,胸脇苦満,お血症候群



虚 証
当帰飲子
(とうきいんし)
めやす 比較的体力の低下した人の皮膚疾患で,滲出液はなく,発赤が淡く,皮膚そう痒感を主訴とするものに用いる.このとき,皮膚の乾燥傾向があり,軽度の貧血を認めることがある.一般に老人に用いられることが多い.
成分 トウキ,ジオウ,シャクヤク,センキュウ,ボウフウ,オウギ,ケイガイ,カンゾウ,シツリシ,カシュウ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
湿疹,皮膚そう痒症,慢性蕁麻疹,尋常性痒疹.その他,皮膚炎,尋常性乾癬
注意 胃腸虚弱者
他処方との鑑別 1)温清飲:体力中等度,皮疹,皮膚枯燥,皮膚の色素沈着 
2)十味敗毒湯:体力中等度,滲出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満 
3)消風散:体力中等度以上,滲出液の多い皮膚,疲労形成,強いそう痒感4)八味地黄丸:体力中等度以下,口渇,足腰の冷え,夜間頻尿,浮腫,陰萎
桂枝加黄耆湯
(けいしかおうぎとう)
めやす 比較的体力の低下した人で脈は浮弱で,悪寒,悪風・発熱・頭痛・自汗・身体疼痛などがあり,盗汗の出る者に用いる.
成分 ケイシ,シャクヤク,タイソウ,生ショウキョウ,カンゾウ,オウギ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
体力が衰えているもののねあせ,あせも
他処方との鑑別 1)黄耆建中湯:ねあせ,虚弱体質で共通するが悪寒,発熱は伴わない.
温経湯
(うんけいとう)
めやす 比較的体力の低下した冷え性の人で,月経不順,月経困難などがあり,手掌のほてり,口唇の乾燥感,肌あれ,下腹部の冷え・膨満感などのある場合に用いる.その他,のぼせ,腹痛,下痢,不正出血などの症状を伴うこともある.以上の症状は,一般に性周期に関連して消長することが多い.腹壁は,一般に軟弱である.
成分 バクモンドウ,ハンゲ,トウキ,カンゾウ,ケイヒ,シャクヤク,センキュウ,ニンジン,ボタンピ,ゴシュユ,ショウキョウ,アキョウ〔(ゼラチン)小太郎〕
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
月経不順,月経困難症,更年期障害,血の道症(婦人の月経周期に関連して起こる精神神経症状),進行性指掌角皮症,湿疹,皮膚そう痒症.その他,不正出血,不妊症,習慣性流産,凍傷
他処方との鑑別 1)きゅう帰膠艾湯:体力中等度以下,貧血,出血傾向,手足の冷え,皮膚の荒れ 
2)桂枝茯苓丸:お血症候群,体力中等度,のぼせ,便秘傾向なし. 
3)当帰四逆加呉茱萸生姜湯:体力中等度以下,四肢の冷感,凍創罹患傾向,頭痛,腹痛 
4)当帰芍薬散:お血症候群,体力低下,手足の冷え,貧血傾向,腹痛 5)四物湯:体力低下,皮膚枯燥,貧血,出血傾向には乏しい. 
6)三物黄ごん湯:体力中等度,手足のほてり,口渇,不眠,皮膚乾燥 
7)加味逍遥散:体力中等度以下,発作性の顔面紅潮,胸脇苦満,臍傍の圧痛





漢方軟膏(外用)
中黄膏
(ちゅうおうこう)
めやす 江戸時代、華岡青州が、創薬した軟膏です。
原典処方では、ウコン、オウバク、オウレンの三味からなっていましたが、朝田宗伯が、オウレンを抜き、現在の形になったといわれています。
黄連解毒湯の軟膏とも言え、熱傷、及び外傷の化膿防止ならびに、治療痔によるかゆみ及び出血によく効くと言われています。家庭の常備薬としてもおすすめします。
成分 オウバク  ミツロウ ウコン 豚油 ゴマ油
適応
(一般用漢方製剤の適応症です)
熱傷、及び外傷の化膿防止ならびに治療、いぼ痔、切れ痔、痔核、痔ろう、脱肛、疼痛、かゆみ、出血等一般的な痔、おでき、鼻粘膜のおでき、ただれ、あせも、かぶれ、かゆかゆ、乳児のくさ、湿疹、とびひ、はたけ、水虫、たむし、いんきん等によるビランした患部、ひび、しもやけ、あかぎれ、肌荒れ、日焼け、化粧下、ひげそり後
太乙膏
(たいつこう)
めやす 原典処方は1000年前にさかのぼり、中国の宋の時代の薬物書「太平恵民和剤局方」に記載の神仙太一膏(しんせんたいつこう)を再現したものです。
昭和45年9月にメルスモン製薬が発売。赤ちゃんから妊婦、高齢者まで利用できる家庭の常備薬として定着しています。
成分 トウキ ケイヒ ダイオウ シャクヤク ジオウ ゲンジン ビャクシ ゴマ油 ミツロウ
適応
(一般用漢方製剤の適応症です)
きりきず(切傷)、虫さされ(鮫傷)、とこずれ(褥瘡)、やけど及びその他の肉芽形成(火傷)
紫雲膏
(しうんこう)
めやす 比較的体力の低下した人で,分泌物の少ない皮膚疾患や外傷などに用いる.
1)外傷,熱傷,凍瘡,褥瘡など皮膚損傷を伴う場合 
2)肌の乾燥,荒れ,角化性の皮膚疾患
成分 ゴマユ,シコン,トウキ,サラシミツロウ,トンシ
適応
(医療用漢方製剤の適応症です)
火傷,痔核による疼痛,肛門裂傷









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