| 処方名(原典名) |
一般的な用い方・その他 |
十味敗毒湯
(じゅうみはいどくとう) |
めやす |
体力中等度の人の諸種の皮膚疾患で,患部は発散性あるいは,びまん性の発疹で覆われ,滲出液の少ない場合に用いる.
1)患部に化膿を伴うかあるいは化膿を繰り返す場合
2)季肋下部に軽度の抵抗・圧痛を認める場合 |
| 成分 |
サイコ,キキョウ,センキュウ,ブクリョウ,ボウフウ,カンゾウ,ケイガイ,ショウキョウ,ドッカツ,ボクソウ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
化膿性皮膚疾患,急性皮膚疾患の初期,蕁麻疹,急性湿疹,水虫 |
| 注意 |
体力のない虚弱な患者 |
| 他処方との鑑別 |
1)荊芥連翹湯:体力中等度,上半身の炎症,皮膚の色素沈着,手掌の発汗
2)加味逍遥散:体力中等度以下,発作性顔面紅潮,胸脇苦満,臍傍の圧痛
3)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚
4)清上防風湯:体力中等度以上,上半身の炎症,顔面紅潮
5)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇
6)葛根湯:体力中等度以上,上半身の炎症,項背の凝り |
消風散
(しょうふうさん) |
めやす |
比較的体力のある人の慢性の皮膚疾患で,患部に熱感があって,多くは湿潤し,そう痒のはなはだしい場合に用いる.
1)頑固な皮疹で,分泌物があって痂皮を形成し,その外観が汚穢で地肌に赤味を帯び,口渇を訴える場合
2)皮膚の病変が夏季にむかって,増悪する傾向のある場合 |
| 成分 |
セッコウ,ジオウ,トウキ,ソウジュツ,ボウフウ,モクツウ,チモ,カンゾウ,クジン,ケイガイ,ゴボウシ,ゴマ,センタイ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
分泌物が多く,かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹,蕁麻疹,水虫,あせも,皮膚そう痒症) |
| 注意 |
1)患部に分泌物がなくて乾いている場合
2)著しく体力の衰えている患者
3)著しく胃腸虚弱な患者 |
| 他処方との鑑別 |
1)越婢加朮湯:体力中等度,顔面紅潮,浮腫傾向,尿量減少,分泌物あり
2)十味敗毒湯:体力中等度,化膿傾向,顔色不良,乾燥した皮疹
3)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,皮膚の色素沈着
4)白虎加人参湯:体力中等度以上,著しい口渇,尿量の減少はない. 5)葛根湯:体力中等度以上,急性期で炎症症状の強いもの |
治頭瘡一方
(ちずそういっぽう) |
めやす |
比較的体力のある人,頭部・顔面の皮膚疾患,発赤,丘疹,水泡,結痂,浸出液等,そう痒感,化膿を伴う.主に小児 |
| 成分 |
センキュウ,ソウジュツ,レンギョウ,ボウフウ,カンゾウ,ケイガイ,コウカ,ニンドウ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
乳児の湿疹,脂漏湿疹,湿疹,アトピー性皮膚炎,せつ,癰 |
| 他処方との鑑別 |
1)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇,皮疹は汚穢
2)十味敗毒湯:体力中等度,浸出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満
3)清上防風湯:体力中等度以上,上半身の炎症,顔面の紅潮
4)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚 |
清上防風湯
(せいじょうぼうふうとう) |
めやす |
比較的体力が充実した人,顔面,頭部の発疹,発赤,化膿しやすい場合.(のぼせ,赤ら顔,頭痛,めまい,眼球結膜の充血).青年男女 |
| 成分 |
オウゴン,キキョウ,サイシン,センキュウ,ハマボウフウ,ビャクシ,オウレン,カンゾウ,キジツ,ケイガイ,ハッカ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
尋常性ざ瘡,頭部・顔面湿疹,酒さ性ざ瘡,その他,慢性中耳炎,慢性副鼻腔炎,慢性結膜炎,頭部・顔面癰・せつ・疔など |
| 他処方との鑑別 |
1)十味敗毒湯:体力中等度,浸出液の少ない皮疹,軽度の胸脇苦満
2)消風散:体力中等度以上,湿潤した皮疹,強いそう痒感,口渇,皮疹は汚穢
3)荊芥連翅湯:体力中等度,上半身の炎症,皮膚の色素沈着,手掌の発汗
4)越婢加朮湯:体力中等度,赤ら顔,湿潤した皮疹,口渇,尿量減少
5)葛根湯:体力中等度以上,頭痛,肩こり,自然発汗なし,上半身の炎症,鼻炎 |
白虎加人参湯
(びゃっこかにんじんとう) |
めやす |
比較的体力がある人で,急性症では激しい口渇や発汗,身体的灼熱感などを伴って高熱を発する場合に用いる.慢性症では,口渇,局所的灼熱感,のぼせ,発疹,皮膚そう痒感,時として尿量の増加,発汗などを呈する場合に用いる. |
| 成分 |
セッコウ,チモ,カンゾウ,ニンジン,コウベイ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
喉の渇きとほてりのあるもの |
| 他処方との鑑別 |
(口渇について)
1)五苓散:体力中等度,口渇と共に尿量減少がある.身体の熱感には乏しい.
2)八味地黄丸:体力中等度以下,口渇,足腰の冷え,夜間頻尿
3)牛車腎気丸:体力中等度以下,口渇,足腰の冷え,足腰の疼痛,浮腫
(皮膚そう痒感について)
1)消風散:体力充実,湿潤した皮疹,皮疹は汚穢,茄皮形成,苔癬化
2)温清飲:体力中等度,乾燥した皮疹,浅黒い皮膚.口渇は伴わない. |
排膿散及湯
(はいのうさんきゅうとう) |
めやす |
体力中等度の人を中心に,主として皮膚,粘膜の化膿性疾患に用いる.発症の初期,中期,および化膿の遷延,再燃時,いずれの場合にも消炎,排膿の効果がある. |
| 成分 |
キキョウ,カンゾウ,キジツ,シャクヤク,ショウキョウ,タイソウ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
副鼻腔炎,鼻炎,中耳炎,歯槽膿漏,歯齦炎,麦粒腫,せつ,癰.その他,化膿性リンパ腺炎,瘰疽,乳腺炎,肛門周囲膿瘍,創傷の化膿など |
| 注意 |
(相互作用)
フロセミド,エタクリン酸またはチアジド系利尿薬との併用→血清カリウム値の低下 |
| 他処方との鑑別 |
1)葛根湯:急性の化膿,後頭部の凝り,体力中等度以上
2)十味敗毒湯:小化膿巣,胸脇苦満,皮膚の色素沈着,体力中等度
3)清上防風湯:頭部,顔面の化膿,赤ら顔,体力充実
4)大黄牡丹皮湯:尿路,消化管,肛門周囲の化膿,便秘,体力中等度以上
5)乙字湯:肛門周囲の化膿,便秘,体力中等度
6)十全大補湯:慢性化した化膿,体力低下,貧血
7)小柴胡湯加桔梗石膏:扁桃腺炎,頸部リンパ節腫脹 |
三黄瀉心湯
(さんおうしゃしんとう) |
めやす |
比較的体力のある人が,のぼせて顔面が紅潮,気分がイライラしておちつかないなどの精神神経症状を訴える場合に用いられる.このとき,不安,不眠,頭痛,耳鳴,便秘の傾向があって,鼻出血,吐血,下血などの諸出血を伴うことがある. |
| 成分 |
オウゴン,オウレン,ダイオウ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
高血圧症,動脈硬化症,諸種の出血(鼻出血,痔出血,吐血など),不安神経症,自律神経失調症,更年期障害.その他,不眠症,口内炎,便秘,胃炎,宿酔,湿疹,蕁麻疹 |
| 注意 |
悪寒,下痢の傾向,著しく体力の衰えている人 |
| 他処方との鑑別 |
1)黄連解毒湯:体力中等度以上,のぼせ,精神不安,身体の熱感,出血傾向
2)桃核承気湯:お血症候群,体力充実,便秘,のぼせ,精神不安
3)柴胡加竜骨牡蛎湯:体力中等度以上,腹力充実,腹大動脈の拍動亢進 |
葛根湯
(かっこんとう) |
めやす |
比較的体力のある人で,炎症性あるいは疼痛性疾患の初期,あるいは慢性疾患の急性増悪期に用いる.
1)感冒等の熱性疾患では,初期で悪寒,発熱,頭痛,項背部のこわばりなどがあって,自然発汗などを伴わない場合
2)疼痛性疾患では局所の疼痛,腫脹,発赤等を訴える場合
3)患部が発赤,腫脹し,そう痒感の強い皮膚疾患の初期 |
| 成分 |
カッコン,タイソウ,マオウ,カンゾウ,ケイヒ,シャクヤク,ショウキョウ |
適応
(医療用漢方製剤の適応症です) |
自然発汗がなく頭痛,発熱,悪寒,肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,発熱疾患の初期,炎症性疾患の初期(結膜炎,角膜炎,中耳炎,扁桃腺,乳腺炎,リンパ腺炎),肩こり,上半身の神経痛,蕁麻疹 |
| 注意 |
1)食欲減退,悪心,嘔吐
2)著しい発汗傾向
3)著しい胃腸虚弱
4)病後の衰弱期,著しく体力の衰えている患者
5)狭心症,心筋梗塞などの循環器系の障害,既往歴
(相互作用)
1)交感神経興奮薬→動悸,頻脈等
2)解熱薬→過度の発汗,精神不穏,動悸 |
| 他処方との鑑別 |
(感冒について)
1)麻黄湯:自然発汗なし,咳嗽,喘鳴,筋肉痛
2)桂枝湯:自然発汗あり,鼻閉,鼻汁
3)小青竜湯:自然発汗あり,胃腸虚弱,胃部振水音,鼻閉,水様鼻汁
4)麻黄附子細辛湯:全身の悪寒,蒼白な顔貌,熱感に乏しい,咽痛,倦怠感
5)真武湯:全身の悪寒,手足の冷え,倦怠感,下痢 |