●TOP >梔子柏皮湯はアトピーに効くのか???
薬剤師プロたん氏の新なんでも志向(思考)体験記第3話⇒「アレルギー性皮膚炎の漢方にこだわる!」にも一部掲載 |

|
今からだいぶ前の話です。・・・・。
2003年7月末の某テレビ番組で、「アトピー」に効果のある漢方療法として、いくつかの処方のご紹介がありました。
好視聴率を誇る番組だけに、放映終了後の反響はすさまじく、7月30日の夜から、本日にかけて、お問い合わせが全国から集中し、正直言ってその対応に困りました。
小生がその日、楽しみにしておりました洋画劇場など見るヒマもなく、電話、電話・・・・・。
処方内容から、剤形についてのご要望、他のいくつかの処方についての関連性など、ご質問がヤマとなり、皆様からのご質問の嵐。
最後には、「効くのか、効かないのか?はっきりしろ!」と、どやされる始末で、いやはや。
あまりにも、あまりのメディア側の表現にちと過剰に視聴者が反応した模様で。
翌日、漢方を流通する一会社の代表として、放映されたテレビ局側に抗議と苦情を申し立てましたが、「相手」にされるわけでもなく、内容的には「その件については、コメントを差し控えたい・・・。」(どこかで聞いたセリフ?)という「ニベ」もないご返事でしたので、このコーナーを取り急ぎ開設したいきさつがございます。
特に、梔子柏皮湯(ししはくひとう)、温清飲(うんせいいん)、白虎加人參湯(びゃっこかにんじんとう)のご質問が多かったと思いますので、以下ご参考にして頂けると幸甚です。
|
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)とはどんな症状か?
 |
はじめから恐縮.ですが、小生のようにドライスキン(乾燥肌)の者は冬場にこの「かゆいかゆい病?」つまり老人性皮膚掻痒症になりやすいとされます。
肉眼では、皮膚炎症状はみられないのですが、とにかく痒い。結局睡眠中に「無意識にかく」ことが多いため、かいたところが「傷跡」として残り、本格的な
皮膚炎症状をきたすことが多いのです。
なぜ、このような痒い現象が起こるのか?主に乾燥肌、静電気(電気毛布など)、甘菓子などの間食のし過ぎ、肝機能の低下、遺伝体質・・・・などその原因はいろいろと言われております。
どの要因をとっても当てはまるため、まず小生は電気毛布を中止し、良質の電気敷き毛布に変更。糖分摂取をこの時期に控え目にして、アルカリ食品。皮膚に強すぎる硫黄温泉を中止し、他の入浴剤(マグマオンセンなど)に変更。
その他、尿素クリームの塗布など対策をしながら長い冬を送っている次第でございます。
さて、最近、この皮膚掻痒症が、お若い方にも多くみられるという症例報告が多くなりました。従来、我々「初老」の者の専売特許のようなものであった「皮膚掻痒症」が低年齢化していることは事実のようでございます。
また、アトピー性皮膚炎や、乾皮症とは異質のただ、痒いだけの症状でございます。
未だ「これだ」という確定的な病理学的裏づけもなく、日常のケアを中心に治療を進めていくに留まっている模様です。
刺激物をやたら摂取しない。アルカリの強い石鹸でごしごし洗わない。弱酸性か微酸性のボディーシャンプーを極力使用すること。ナイロンのスポンジを使用せず、あくまでも木綿のタオルで優しく洗う。
飲酒もほどほどに、ストレスも大敵ですね。

そこで、体質改善の以下の漢方処方の登場となるわけです。
|
梔子柏皮湯(ししはくひとう)とはどんな漢方処方なのか? |

さて、先日のテレビで話題になっていた「梔子柏皮湯(ししはくひとう)」とはどういう成分構成になっているのでしょうか?
例えば、当店取り扱い商品で以下ご説明いたします。
■ウチダの梔子柏皮湯(ししはくひとう)
【組成】[煎]:1袋(6g)中
サンシシ3g(山梔子)
カンゾウ1g(甘草)
オウバク2g(黄柏)
・・・と、なんと3種混合の極めて単純な処方でございます。他の漢方処方にみられる10種以上の生薬がワンサカと混合・・・というシロモノではなく、
とてもシンプル、覚えやすい成分構成でございます。はい。
さらに、数ある生薬の中にあって、極めて作用が穏やかで、どなたでも安心して服用できる処方でございます。(但し、お味はよろしくありませんぞ(^^ゞ)
この商品、製品30日分セットは⇒こちら

|
| ■簡単に単独成分のご説明 |
|
山梔子⇒(梔子・シシ)アカネ科⇒クチナシ
暖地山中に自生し、また庭園に栽植の常緑低木、葉は革質でツヤあり。
夏、筒部ある六弁花開く。果実は紅黄色に熟し楕円形で両端はとがり6本の稜がある。
[生薬] 山梔子(サンシシ)・梔(シシ)はクチナシ・ヒメクチナシの果実を天日乾燥したもの。卵形〜楕円形。長さ1〜1.5cm。軽質でサフラン様放香あり、苦味もあり唾液を黄赤色に染める。
[薬用] 山梔子(サンシシ)は消炎、利尿、止血。緩下、鎮静薬で黄疸、吐血などに5〜8gを水500cc〜600ccで煎じ1日3回に温服する。
[成分] カロチン色素のアルファクロチンを、またイリドイド系のジェニポサイドを含む。 |
|
甘草⇒(甘草・カンゾウ)マメ科
シベリア南部から中国北西部に自生の多年草。茎は高さ1〜2m全株細毛を有し、葉は奇数羽状複葉で互生する。
小葉は9〜17枚で鋸歯なく先はとがり、夏〜秋にかけて淡紫色の蝶形花を総状につける。満州産甘草(ウラル甘草)である。
[生薬] 甘草:カンゾウの根そのままか、コルク皮を除いたもの。長さ約1m径1〜3cm、皮付は赤褐色か暗赤褐色で不規則な縦じわと横径の皮目を有し、皮を取ったものは淡黄色でセンイ性で縦割りしやすい。スペイン甘草やロシア甘草が良品。日本の市場品は満州産甘草である。
[薬用] 根茎は緩和、矯味、鎮静、去たんに2〜3gが用いられ、他薬と配合してのみやすく緩和にし、作用を増強する。急迫症状の胃ケイレン、咽喉炎などに甘草8gを水300ccで煎じ温服する。
[成分] 甘味物質はグリチルリジンで、6〜14%含有。その他グリシラマリン、フラボノイドのリキリチン、イソリキリチン、リキレトサイドなど、またマンニット、アスパラギン、ブドウ糖、蔗糖、クンニンなどを含む。
[栽培] 種子をまいて4〜5年で収穫。排水良好な柔らかい土地がよい。株分け根分けで植え付ける。 |
|
黄柏⇒(黄柏・オウバク)⇒キハダ 山地に自生の落葉高木、高さ約25m。葉は奇数羽状複葉で対生、長さ15〜30cm。5〜6月枝先に黄緑色の小花を円錐状につける樹皮の内皮は黄色〜黄褐色で夏の土用前後が最もはぎやすい。
[生薬] 黄柏(オウバク)は樹皮の黄色の内皮を採集し天日乾燥したもの。
厚さ2〜4mm、板状半管状、灰黄色〜黄褐色で暗色の皮目多い。
切面繊維性で鮮黄色、無臭で粘液質、唾液を黄染する。強い苦味あり。
[薬用] 黄柏(オウバク)は苦味健胃、消炎、整腸薬で細菌性腸炎、腸内異常、醗酵、急性胃炎、十二指腸潰瘍などに粉末1回0.3〜0.5gを1日3回服用する。
[成分] 樹皮にアルカロイドのベルベリン、バルマチン、マグノフロン、その他オーバクラクトン、オーバクノン等を含む。
※キハダは木曾の御嶽山産出が有名。何が有名かというと「百草丸」、「百草」という胃腸薬が現在でも巷で引き合いにでている。当サイトでも黄柏が
主成分の「御嶽百草胃腸薬」がよくでています。
キハダの樹皮は「胃薬」として使用されるばかりか、「黄柏湿布」として民間療法では外用として使用される。つまり、つけて良し、塗って良し、飲んで良し、
の良いことづくめ・・・・さらに皮膚炎の漢方軟膏の「中黄膏(ちゅうおうこう)」はあまりにも有名でございます。
色素、着色料としても使用されるため、白い衣服につくと黄色くなる難点がございます。
黄柏は古くから陀羅尼助(ダラニスケ)などの家庭薬原料として利用されるほか、ベルベリン抽出原料として重要な薬物です。
ベルベリンを含有するものとしては黄連も有名ですが、黄連が高価であるためベルベリン抽出原料としては専ら黄柏が利用されます。
なお、キハダは粘液を含有するため、黄柏の粉末を指につけ水で練るとすぐに粘性をだす点で、黄連の粉末と区別できます。
またキハダのベルベリン含量は採集時期、採集部位によって異なり、根に近い幹皮は含量が高く、幹に近い根皮はさらに高いことがわかっています。 |
|
【自分で梔子柏皮湯をつくりませんか?】
つまり、上記の製品化された30日分セットではなくて、バラの材料を購入し、自身で漢方処方をつくっちゃう方法です。
手間隙かけて作った漢方はさらに愛着が沸くというものです。
お時間のある方、お時間なくとも経済追求の「こだわり」派の方におすすめします。
|
|
|
■まず1日分がクチナシ3g カンゾウ1g オウバク2g で1袋1日分になるようにすればよいわけです。
それぞれ500g(この袋しか当店取り扱いでは現存しません)。
最低でも166日分(約5ヶ月分)が、すぐに作れるわけですね。残ったカンゾウ、オウバクは乾燥剤を入れた密閉容器(タッパなど)に入れておけば2年間
は十分にもつはずです。
なお、クチナシは姿のままですと計量できませんので、包丁などで細かく刻みましょう。ご面倒な方は既に刻んである「山梔子」という商品もございますが、
お値段が高いです。
ここは、漢方づくりに専念して、製作を楽しみましょう。
「薬草パック」という袋状の和紙も商品でありますが、小生は自身で煎じ薬を作る時は、ホームセンターなどで売っている「チャック式ビニール袋」を利用
いたします。
上記1日分をこの「チャック式ビニール袋」の中に入れてそれぞれ保存しておきます。とても便利です。
煎じるときに、鍋か土瓶の中に、この袋から取り出した材料をザッとバラのまま入れちゃいます。
一説によると、和紙に包んだ煎じ薬をそのまま水の中に入れて煎じ、服用時に中から取り出すと便利ではありますが、せっかくの浸出成分がその和紙
に吸着してしまうとのことです。
漢方の鉄人は決して和紙ではくるまず、その都度バラで鍋にいれて服用するとか・・・・・小生は「鉄人」ではありません、単なる「ケチ」で和紙を使用しない
だけです。(^^ゞ
600mlぐらいの水を片手鍋に入れておき、火をつけます。中に材料(クチナシ3g カンゾウ1g オウバク2g)を入れます。当初は強火で、煮立ってきたら
フタをして、中火〜弱火へ、30分間もすると良好な浸出液ができます。
おおむね、300〜400mlぐらいの煎じ液ができていますので、これを1日3回分として分服するのです。
いっぺんに作って、(つまり1週間分ぐらい。。。)それを冷蔵庫に入れておき、ちびちび服用しても良いのではないか・・・・というご質問がよくあります。
おやめ下さい。成分的には、分離しやすく、いくら冷蔵庫に入れておくと言っても、夏場は衛生上好ましくありません。
せいぜい作ったとしても2日分が限度です。
分離すると、まず上澄み液が「しぶく」なり、とても服用できるシロモノではなくなります。(小生の拙い経験から・・・・オェ〜(>_<))
ただでさえ、まずい味ですので、この点ご留意くださいませ。
1日分をつくり、飲んだあとの余り、つまり残液は廃薬として下さい。
以上が服用方法でございます。なお、冒頭にご紹介したウチダ煎じ薬「梔子柏皮湯(ししはくひとう)」30日分セットも以上の服用方法に準じます。 |
梔子柏皮湯(ししはくひとう)の煎じ薬ってとてもまずい? |

はっきり言って、まずいです。それもクチナシとオウバクとのミックスした「苦さ」はまた格別です。
小生が今まで体験した煎じ薬(約200処方)のうち5本指に入るくらいでしょう。
超ど級は「九味梹榔湯(くみびんろうとう)」、「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」あたりが王者(ワーストの味)。
その次あたりに梔子柏皮湯が位置するのではないかと思います。
基本的に、構成成分が「胃薬」とも言えますので、まず消化器系統の副作用がでることはありません。
でも、この味は「涙モン」ですな。乞うご期待? |
梔子柏皮湯(ししはくひとう)の煎じ薬以外の剤形って販売しているのか?(例えば粉、錠剤など) |
[薬 品 名] コタロー梔子柏皮湯エキス細粒
[一 般 名] 梔子柏皮湯
[会 社 名] 小太郎漢方製薬
[色 ・剤型 ] 黄褐〜黄/細粒
[効能・効果]
肝臓部に圧迫感を伴う黄疸,皮膚そう痒症,二日酔いなどに効果が
ある漢方製剤
[適 応 症]
1) 宿酔
2) 皮膚掻痒(症)
3) 黄疸

|
梔子柏皮湯という漢方処方は「アトピー性皮膚炎」という「適応症」はとれているのか? |
 |
もちろん「アトピー性皮膚炎」の適応はとれておりません。
あくまでも、小生は「痒み」に対する適応であると思います。最も「アトピー性皮膚炎」という病名そのものは、西洋医学的所見から由来される病名であって、正式に「アトピー」という効能・効果を取得している漢方処方は皆無です。
その辺のところが、東洋医学、西洋医学との大きな考え方の違いかも知れません。
東洋医学的考えからすると、アトピーは、むしろ「乾燥肌」、「アレルギー症」などの見解に近く、「温清飲(うんせいいん)」、「消風散(しょうふうさん)」、「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」の方が一般的ではないかと小生は思うのですが・・・・・。
今回の梔子柏皮湯のご注文を受けるにあたり、一番多いご質問がこれでした。正直言って弱りました。
かゆみがひどい時には、梔子柏皮湯は有効な処方ではありますが、乾燥肌そのものの体質改善には小生は「温清飲(うんせいいん)」、「消風散(しょうふうさん)」をおすすめしております。
|
温清飲(うんせいいん)と梔子柏皮湯との違いについて |
| 上記に述べております。ご参照くださいませ。 |
|
(2008年2月1日)全面修正
(2008年4月27日)一部修正 |