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| 師の養生訓、『潤いと長寿』の処方 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 清暑益気湯(せいしょえっきとう)とは? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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清暑益気湯との出会い? 清暑益気湯(せいしょえっきとう)ってご存知でしょうか? 近くにあって、見えないお宝と私は時々周囲に話しております。(笑) 薬剤師でしたら、かの有名な『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』の変方であり、いわゆる夏ばての漢方処方であることはよく存じていることでしょう。 某学者に言わせれば、これは断じて変方ではなく、単独に位置づけられる優秀処方であるとの論文も拝見したこともあります。 いずれにしても、補中益気湯との相互比較はそのスペクトル(適応範囲)を含めて、永遠のテーマでしょう。 ところで、季節商品というものは、いわゆる『目玉商品』とも言え、年間わずかに2ヶ月しか商業ベースに載らない?製品の場合、ややもするとその真価を軽んじ、経営者としての「いやらしさ」ゆえか、どうしてもこの処方が脳裏から消失することがあります。 その私の愚かな心構えを根底から覆す「出来事」が過去ありました。 恩師の晩年における最終講義で得られたものは、平素すぐ近くにあって気付かなかった宝物でした。 本日は、その話を少ししてみます。 この地に薬局をオープンしてまだ間もない頃の古い話しです。 昔の大恩師、生薬学の先生の家へ遊びに行こう!ということになり、仲間と意気投合し、都心にある大先生のご自宅にお邪魔したことがあります。 80半ばを超えても、日々執筆活動を続け、日本薬業界はもちろんのこと、漢方雑誌や健康番組では超有名な先生です。 先生は大変お元気で、その邸宅の中庭付近にある花壇に「水まき」をしている最中でした。「やぁ!みんな来たか!」と昔と全く変わらず笑いながら出迎えてくれました。 ![]() 私が、『先生!ご壮健のご様子で、なによりです。再度こうして、ご尊顔を拝する機会を得まして大変光栄です。』 『いやいや、ありがとう。君達も元気そうでなによりだねぇ・・・挨拶もすっかり上手になったねぇ・・。腹にもないくせに。(笑)』と、一同爆笑。 先生のご自宅で庭の花見をしながらにわか仕立ての宴会が始まりました。 皆同期の者たちばかりで、それぞれ薬局を経営する者や、病院の薬剤長を務めている者も何人かおりました。 昔の話に花が咲き、宴もたけなわになった頃、上機嫌の先生から「クイズ」を出されました。(昔から意地悪いクイズをだすクセがあります。汗) 『君達は、プロなんだから、一つお聞きするが、お客様が夏まけでご相談においでになったら、ずばり、何を処方するかね。随証は構わんから、何か言ってごらん。ほら、君からだよ。(笑)』 全員『・・・・・・・・・。』 うっかり処方名を告げたら最後・・・その根拠は?とくる。例えその根拠を言ったとしても、・・・由来は?・・してそのメカニズムは?とくる・・・全員知っておりました、先生の素晴らしくもユニークなご性分を。(笑)とても86歳のご年配には思えません。雰囲気が、昔の授業風景へタイムスリップしました・・。 仕方なく、私が皮きりに、『一般的には、私は補中益気湯をご紹介申し上げます。』と。すると隣に座っていた者たちも一斉に・・・・。 『私も、そうですね補中益気湯が無難な線ですかねぇ』、『私も補中益気湯です。』、『なんたって効き目が良いですから、私も同じです。』、『私は症状を診て十全大補湯ですか、あまり自信ありませんが・・・。』みんなで答えれば「怖くない」世界とでも申しましょうか。 師弟はいつまで経っても師弟ですね。(笑) 先生はニコニコ笑いながら、『昔の私の講義をしっかりと聞いてないね。みんな。・・・ヒントはね、私の元気で長生きの秘訣だよ。』と、話を続ける。 『補中も素晴らしいが、それは人によりけり、初対面の家にノックなしで入っていくもんだよ。さあ、夏ばてでくたくたになり、身体過労状態で君達の薬局に美しくもか弱いご婦人が訪ねてこられた。それで、補中益気湯?』と、先生が首を横に振りながら、意地悪な笑みを浮かべて・・・・変わらないです。(笑) その時、一番奥の席に座っていた某大手の病院の女性薬局長が、『先生、清暑益気湯(せいしょえっきとう)でしょうか?先日、先生の書かれた本を読ませて頂きました!』と。『?????』 なるほど、処方名は知っておりましたが、皆さんの頭には、すぐ思い浮かびませんでした。恥ずかしいことです。 『大正解!私の拙い書をご購入頂き、ありがとう。(笑)』 ![]() 全員、『・・・・・・・・・・・・・・汗』 先生の話によると、授業では清暑益気湯(せいしょえっきとう)ほど、素晴らしくバランスのとれた処方はないと、熱弁を何度もふるったそうです。・・残念ながら記憶にございません。寝ていたのか、聴講をサボっていたのか。全く覚えがございません。(笑) いずれにしても、先生はこの歳86歳までの5年間、清暑益気湯を自身で処方されて日々服用されており、顔つやも良好で、病気らしい病気もしていません。 まさに「麦門冬(ばくもんどう)」の潤いオアシスと、「オウギ」パワー、気を鎮め、血行を良好させ、水を排泄。気血水理論を地で行く『清暑益気湯(せいしょえっきとう)』。これが夏の二ヶ月処方じゃあ、もったいないね・・・と、先生は再度、「できの悪い生徒たち」に講義をして頂きました。有難うございます。 帰途思い浮かべると、先生のガーデニングの姿が目に焼きつくようで、嬉しそうに花や薬草に「水くれ」をしている様は『潤いだよ』とのご教授を背中で教えられた感がいたします。 あれから既に16年を経過。大恩師の先生はとうに他界されましたが、この処方に出会うたびに思い出します。 師の恩というものは実にありがたく、あの日、あの時が我々への最終授業であったと、今思い起こせばこみあげてくるものもございます。 『潤いと長寿』の処方とでも申しましょうか。小生も現在愛用しておりますが、当たりが「ソフトで穏やか」。 なるほど素晴らしい処方であることには変わりありません。 〔2008年7月22日 登録 腑侶鍛 HTML編集 橘美弥〕 |
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| 付録 【ツムラ医療用製剤を例とした、清暑益気湯と補中益気湯の相互比較表】 ご注意 日局とは?日本薬局方の略 日本国における医薬品に関する品質規格書(公定書)である。医薬品や生薬が収載されているほか、試験法や純度の基準・剤型などが記されております。 |
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| 〔2008年7月〕 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【製品データーご参照】 |
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